お金で結婚は買えるのか?
お金で結婚は買えるのか? / Creditt:Canva宝くじが当たったら仕事を辞めようか、家を買おうかと、空想したことのある人は多いでしょう。
けれども、その先で結婚や離婚がどう変わるかまで考える人は、あまりいないかもしれません。
実は経済学では、お金と家族の関係は古くからの大きなテーマです。
ノーベル経済学賞を受賞したゲーリー・ベッカーは1960〜70年代に、人は結婚するか、独身でいるか、子どもをもつかを、それぞれから得られる満足を天秤にかけて決めていると論じました。
収入が増えれば、その天秤の傾きも変わるというのです。
現実の統計でも、収入の高い男性ほど結婚している割合が高いことが知られています。
宝くじで大金が当たると、独身男性は結婚に、既婚女性は離婚に近づく① / Credot:川勝康弘ところが、この数字だけでは「お金があるから結婚できた」とは言えません。
収入の高い人は、学歴や仕事への意欲など、ほかの多くの点でも収入の低い人と違っているからです。
お金そのものの効果を取り出すには、本人の生まれや努力と関係なく、偶然お金が降ってくる場面が必要になります。
そこで研究チームが目をつけたのが、宝くじでした。
たとえばスウェーデンのスクラッチくじ「トリス(Triss)」では、当たり券を持つ人がテレビの生放送に出演し、5万〜500万クローナの賞金の中から自分で額を引き当てていました。
同じ年に同じルールで当たった人どうしなら、受け取った額の違いを生んだのは運だけです。
宝くじで大金が当たると、独身男性は結婚に、既婚女性は離婚に近づく② / Credot:川勝康弘研究チームはこのトリスに加え、定期購入型のくじ(Kombilotteriet)と抽選付きの預金口座(PLS)のデータも集めました。
どのくじでも、比べたのは、同じ月に同じ枚数のくじを買っていた人たちのように、当たる条件がそろった人どうしだけです。
こうして選び出した、抽選の時点で18〜44歳だった7万6859人について、国の行政データをもとに、抽選から2年、5年、10年のあいだに起きた結婚・離婚・子どもの誕生を追いかけたのです。
宝くじで大金が当たると、独身男性は結婚に、既婚女性は離婚に近づく③ / Credot:川勝康弘結果はどれも、「税引き後で100万クローナ(約1580万円)が当たったら、結婚や離婚、子どもの数がどれだけ変わるか」という形で示されています。
100万クローナは、当時のスウェーデン人の一般的な手取り年収の5年分を超える大金です。
では、ある日突然この額を手にした男性と女性は、その後同じような家族の道をたどったのでしょうか。







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