天の川に20年も強い電波を出し続ける正体不明の天体を発見

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1996年には写っていなかった電波

アメリカのニューメキシコ州にある電波望遠鏡群VLAのアンテナです。アメリカのニューメキシコ州にある電波望遠鏡群VLAのアンテナです。Credit: dconvertini / Wikimedia Commons(CC BY-SA 2.0)

この天体が見つかったのは、大型の電波望遠鏡群(VLA)で空を調べる観測(VLASS)の中でした。

2017年10月の観測で、天の川の帯のほぼ真ん中の方向に、明るい電波の点が写っていたのです。

この観測で見つかった「明るさを変える電波天体」の中で、知られている限りいちばん明るいものでした。

この観測では、明るさが変わったり新しく現れたりする電波天体がすでに数千個見つかっていて、それまでの観測で見つかった候補が数十個ほどだったのと比べると大きく増えています。

ところが、1996年7月に別の電波観測(NVSS)で同じ場所を見たときには、何も写っていませんでした。

同じ場所を写した3枚の電波画像を、論文の中で並べた図です。 左は1996年にNVSSで写した時、まん中は過去の記録で初めてこの天体が写っていた時、右は発見された時の画像です。同じ場所を写した3枚の電波画像を、論文の中で並べた図です。 左は1996年にNVSSで写した時、まん中は過去の記録で初めてこの天体が写っていた時、右は発見された時の画像です。Credit: Miller et al., The Astrophysical Journal (2026)(CC BY 4.0)

当時も十分な感度で見ていたため、その時の電波は、観測でとらえられる明るさを下回っていたことになります。

観測した周波数が違うため、電波源について一定の仮定を置いて換算すると、21年のあいだに電波は6倍以上明るくなったと見積もられます。

そこで研究チームは、この位置を写した過去の電波観測を調べ直しました。

すると2005年以降、複数の電波望遠鏡による30回以上の観測に、この天体がすでに写っていたのです。

このほか、2010年に別の電波望遠鏡網(VLBA)で行われた観測も、当初の解析では「写っていない」とされていました。

ところが2025年に発表された再解析で、写っていたことが分かりました。

記録をつなぐと、電波が初めてとらえられたのは2005年で、2014年に最も明るくなっていました。

この天体の電波の観測記録を、年の順に並べた図です。1996年には写らなかった電波が、2005年から20年ほど、強まったり弱まったりしながら続いている様子が分かります。この天体の電波の観測記録を、年の順に並べた図です。1996年には写らなかった電波が、2005年から20年ほど、強まったり弱まったりしながら続いている様子が分かります。Credit: ナゾロジー編集部(編集部が作成した図、論文の図2(Miller et al., The Astrophysical Journal (2026)、CC BY 4.0)をもとに作成)

その明るさは、2017年に見つかった時の3倍近くか、それ以上に当たります。

その後は暗くなっていきましたが、2025年の終わりに再び明るさを増しました。

集めた手がかりから、この天体は地球から5万〜11万光年ほど先、天の川銀河の円盤の中にあると見られています。

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