ジュラ紀の「巨大な6本脚の捕食者」の化石を発見

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30万点の化石からたった1点、謎の多い「コムシ」の化石

今のハサミコムシ科のコムシです。昆虫と同じく6本の脚をもつ六脚類の一員ですが、昆虫ではない小さな仲間の一つです。今のハサミコムシ科のコムシです。昆虫と同じく6本の脚をもつ六脚類の一員ですが、昆虫ではない小さな仲間の一つです。Credit: Jake Nitta / Inaturalist(CC BY 4.0)

昆虫は、6本の脚をもつ「六脚類(ろっきゃくるい)」という大きなグループに含まれます。

六脚類には、昆虫のほかに、あまり知られていない小さな仲間が3つあります。

カマアシムシ、トビムシ、そしてコムシです。

3つとも、六脚類の中で早い時期に枝分かれした系統です。

そのため、6本脚の生き物のもともとの体の作りを知るうえで、鍵を握るグループとされています。

ところが、これらの仲間は化石としてはきわめてまれにしか見つかりません。

カマアシムシにいたっては、知られているかぎり化石が一つも見つかっていません。

今回の主役のコムシは、翅(はね)をもたない、昆虫の親戚です。

お尻の先には、触角やハサミのように見える2本の突起(尾角:びかく)があります。

中国科学院とバレンシア大学の研究者たちは、このコムシの1点の化石に注目しました。

研究チームが調べた新種シノジャピクスの化石の全体です。上下2枚に割れた化石の両面(左と中央)と、それをもとに描いた線画(右)を並べています。研究チームが調べた新種シノジャピクスの化石の全体です。上下2枚に割れた化石の両面(左と中央)と、それをもとに描いた線画(右)を並べています。Credit: WANG et al., Proceedings of the Royal Society B Biological Sciences (2026)(CC BY 4.0)

化石が出たのは、中国北東部、内モンゴル自治区の道虎溝(ダオフーゴウ)という場所です。

ここには、約1億6500万年前、ジュラ紀中期の生き物たちの化石が豊富に残っています。

これまでに調べられた道虎溝の化石は、野外の採集分と収蔵品を合わせて30万点近くにのぼります。

道虎溝の化石と同じジュラ紀中期の地層(九龍山層)から見つかった、別の虫の化石です(目盛りは10mm)。大きな翅の細い筋まで、くっきり残っています。道虎溝の化石と同じジュラ紀中期の地層(九龍山層)から見つかった、別の虫の化石です(目盛りは10mm)。大きな翅の細い筋まで、くっきり残っています。Credit: Yang et al 2019 / Wikimedia Commons(CC0)

何十年も発掘と選別が続けられてきました。

それでもコムシの化石は、およそ20年前に採集されたこの1点だけでした。

割合にすれば0.001%にも届かない、きわめて珍しい標本です。

化石は上下2枚に割れた状態で、保存状態は非常に良好でした。

研究チームは鋭いナイフで丁寧に岩を取り除き、実体顕微鏡で観察しました。

口や顎、尾のハサミ、腹部を細かく撮影し、今のコムシや他の化石のコムシと比べています。

さらに、コムシの家系図のどこに収まるかを調べる解析(系統解析)も行いました。

研究チームはこの化石を新種と認め、シノジャピクス・ギガンテウス(Sinojapyx giganteus)と名づけました。

この種のために、新しい科(属の一つ上の分類のまとまり)であるSinojapygidaeも設けています。

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