「風邪にはニンニクが効く」は本当なのか。科学的な根拠は?サプリの注意点も

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11月に入り、朝晩の冷え込みが増してきた。風邪をひいている人もいるかもしれない。

そんなときによく耳にする話が、「風邪にはニンニクが効く」。昔から言われているが、実際のところ、科学的な根拠はあるのだろうか。

その答えを探る手がかりになるのが、厚生労働省の「統合医療」情報発信サイト「eJIM(イージム)」だ。

ニンニクについて、現時点でわかっている科学的な情報を紹介する。

ニンニクの効果、どこまでわかっている?

eJIMは、民間療法などとどう向き合い、利用したらよいかを考えるために、エビデンス(科学的根拠)に基づいた情報を紹介しているサイト。漢方や鍼灸、健康食品などについての情報もまとめている。

ニンニクに関する情報は、米国立補完統合衛生センター(NCCIH)の情報を日本語に訳したものだ。NCCIHは、米国立衛生研究所(NIH)に属する政府機関で、補完・統合医療の研究や情報発信を担っている。

風邪への効果を見る前に、ニンニクにどんな健康効果が期待されていて、それぞれどこまで確かめられているのかを見てみる。

eJIMによると、ニンニクは世界各地の人々が伝統的に健康のために使ってきた。

現在は、高コレステロールや高血圧など、心臓や血管に関係する病気のためのサプリメントとして最もよく宣伝されている。

では、こうした効果の根拠はどうなっているのか。まずはコレステロールについてだ。

eJIMは、ニンニクのサプリメントを摂取することで、総コレステロールと低密度リポタンパク質(LDL)コレステロール値が高い人において、これらの血中濃度を下げる可能性が示唆されていると説明している。

しかし、効果があるとはいえ、その効果の程度は小さく、また改善がみられるまでに8週間以上かかる可能性があるとも述べている。

また、血圧については、ニンニクのサプリメントは高血圧に役立つ可能性はあるが、そのエビデンスは限られているとしている。

がんについては、最も信頼性の高い研究で、食品やサプリメントとしてのニンニクの摂取は、胃がんの発症リスクの低減とは関連しないことが明らかになっていると記述。

一方、疫学研究では、ニンニク科の野菜(ニンニクのほか、タマネギ、エシャロット、ニラ、ネギなど)の摂取量が多いほど、特定のがん、特に胃腸のがんのリスクが低くなることとの関連性が示唆されているという。

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Denis Petrovskikh via Getty Images

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風邪には効くのか?

eJIMは、ニンニクが風邪に効くかどうかを示す十分な科学的根拠(エビデンス)はないとしている。

参考文献に挙げているものの一つが、2014年のコクランレビューだ。

コクランは、医学論文のシステマティック・レビューを行なう国際的団体。そのコクランが作成するコクラン・レビューは、質の高いシステマティック・レビューとして定評がある。

2014年のレビューでは、該当しそうな研究が8件見つかったが、基準を満たしたのは1件だけだったという。その1件の研究は次の通りだ。

146人をニンニクのサプリメント(アリシンを含むもの)を飲むグループと、偽薬を飲むグループに分け、12週間飲んでもらった。

この3カ月間に風邪をひいた回数は、ニンニクのグループが24回、偽薬のグループが65回だった。

一方、風邪をひいた場合に回復するまでの日数は、両グループで同程度だった(4.63日と5.63日)。副作用として、においや発疹が報告された――。

ただ、レビューは、ニンニクが風邪を予防・治療するかについて、臨床試験の根拠は不十分だと結論づけている。

1件の試験で予防できる可能性が示されたものの、この結果を確かめるにはさらに研究が必要だとしている。

また、効果があるという主張は、主に質の低い根拠に頼っているようだと指摘している。 

注意点も

ニンニクは普段の食事に含まれる量であれば、ほとんどの人にとって安全とされている。ただ、eJIMは次のような点に注意が必要だとしている。

①口臭や体臭、胸焼け、胃のむかつきが起こることがある

②ニンニクにアレルギー反応を起こす人もいる

③ニンニクのサプリメントは出血のリスクを高める可能性がある(ワルファリンなどの抗凝固薬を服用している人や、手術が必要な人は、ニンニクのサプリメントを摂取している、または摂取を検討していることを医療機関に伝えるよう求めている)

④ニンニクのサプリメントは、HIV感染症の治療に使われるサキナビルなど、一部の薬の効果を妨げる可能性がある

⑤妊娠中・授乳中にニンニクのサプリメントを使ったり、ニンニクを肌に塗ったりすることが安全かどうかは、ほとんどわかっていない

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eJIMは、補完療法を使う場合は、かかっている医療機関に伝えたうえで、十分な情報をもとに判断するよう勧めている。

なお、個人の責任で行うさまざまな療法を制限するものではなく、また特定の療法を勧めるものでもないとしている。

また、ニンニクの説明・解説は、米国の医療制度に準じて記載されているため、日本に当てはまらない内容が含まれている場合があるという。

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