(CNN) 米国によるイランでの戦争は有権者の共和党への支持を急落させ、中間選挙での歴史的な大敗を招く要因となった。この戦争はトランプ大統領自ら開始を決断した可能性があるが、中間選挙後はその責任を誰か別の人物に負わせようとする動きが加速している。標的となっているのがヘグセス国防長官だ。
連邦議会下院では、早ければ来週にも、国防総省のトップであるヘグセス氏の弾劾(だんがい)に向けた採決が行われる可能性がある。
中間選挙での壊滅的な結果に危機感を抱いた共和党議員や関係者らは、選挙結果の責任をヘグセス氏に押し付けようと素早く動いている。それによると、トランプ氏を説得してイラン攻撃に踏み切らせたのはヘグセス氏だとする主張が水面下で展開。しかもそこには出口戦略もなければ、政治への不可避な影響を管理する計画も存在しなかったとしている。
こうした激しい責任追及の動きがある一方、共和党の戦略立案者たちは、党が抱える問題が戦争だけにとどまらないことを内々では認めている。今回の敗北は2008年当時と同規模のものであり、状況を立て直すには数年を要するとみられる。それでも現時点で、党幹部や多くの党員たちは今回の苦境の責任をトランプ氏に直接問うことには依然として消極的だ。
ヘグセス氏に対してそのような配慮は向けられていない。国防長官就任以来、攻撃的な姿勢を続ける同氏は議会内に味方をほとんど作ってこなかったからだ。
米下院の共和党議員らは、数日以内に国防長官を明確に否定する採決を行う見通しだ。トランプ氏に批判的なことで知られる共和党のトーマス・マッシー下院議員(ケンタッキー州選出)はCNNに対し、来週の議会再開に合わせてヘグセス氏の弾劾を問う採決を求める意向を明らかにした。複数の共和党関係者によると、この採決は可決される公算が大きいという。
複数の共和党議員がCNNに語ったところによると、戦争を強く支持してきたヘグセス氏は、米国が戦闘に迅速かつ容易に勝利できると過大に宣伝していた。匿名を条件に取材に応じた彼らは、党内で多くの議員がヘグセス氏に背を向けるようになった理由を説明した。議員らが非難するところによれば、ヘグセス氏は依然として攻撃の激化を主張し続けている。実際には爆撃を継続してもイランが降伏に近づいている兆候はほとんどみられない。
国防総省の元高官は、戦争およびヘグセス氏をめぐる状況について「方針転換が始まっている」と述べ、「外交問題の解決手段として軍事行動を選択した以上、これは主に『戦争省(国防総省)』主導の取り組みとなってしまった」と語った。
それでも、トランプ氏自身のヘグセス氏に対する信頼は揺らいでいない。複数のホワイトハウス関係者がCNNに語ったところによると、トランプ氏は周囲の側近らに意見を求め、ヘグセス氏の仕事ぶりについて探りを入れているものの、依然として信頼を寄せているという。
トランプ氏の考えに詳しい別の情報筋がCNNに語ったところによると、トランプ氏はイランに対する追加攻撃に踏み切る場合、ヘグセス氏を留任させる必要性をさらに強く感じるかもしれない。特に、上院で民主党が新たに多数派を占めたことで、政権による新たな閣僚の指名承認プロセスが難航する可能性が高まっているためだという。
4日、ヘグセス氏の去就について問われたトランプ氏は戦争遂行の方針を擁護。同氏を解任する計画はないと明らかにした。その上で、ヘグセス氏について「非常にうまくやっている」との考えを示した。
中間選挙の結果が出た直後、ヘグセス氏に近いある人物はCNNに対し、同氏は国防長官の職にとどまる意向であり、弾劾の動きに対しても徹底抗戦する構えだと語った。

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