降り注ぐ「火の石」から身を守ろうとした人々
今回注目されたのは、ポンペイの城壁外にあるポルタ・スタビア墓地付近で発見された男性の遺体です。
彼は噴火のさなか、海岸へ逃げようとしていたと考えられています。
発掘調査の結果、この男性は火山礫と呼ばれる小さな岩や溶岩の破片が降り注ぐ中で命を落とした可能性が高いことが分かりました。
火山噴火というと溶岩の流れを思い浮かべがちですが、実際には空から降り続ける高温の石の雨も、極めて危険な脅威となります。
そして決定的だったのが、遺体の状態です。
男性はテラコッタ製(粘土を素焼きしたもの)の「すり鉢」を手に持ったまま発見されました。
考古学者たちはこれを単なる偶然ではなく、頭部を守るための即席の盾として使っていたと解釈しています。
【実際に発見された男性の遺骨の画像がこちら】
さらに古代ローマの記録でも、同様の行動が確認されています。
ローマの著述家である小プリニウスは、噴火の際、人々が枕などを頭にかざしながら逃げていたと記しています。
つまり、この男性の行動は特別なものではなく、極限状況の中で人々が選んだ「現実的な防御策」だった可能性があるのです。









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