浴室の排水口を掃除、水で流したつもりが…手足のしびれで救急要請 洗剤の「組み合わせ」に落とし穴

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「キッチンの排水口に塩素系の洗剤を流したところ、酸性の食器洗い機の洗剤と混ざって刺激臭のあるガスが発生し、目が痛くなった」

「浴室内で住宅用塩素系洗浄剤とクエン酸を同時に使用したところ、1時間後におう吐の症状が出たため、救急要請した」

いずれも、台所や浴室で塩素系洗浄剤を使った際に起きた事例だ。

国民生活センターのテストでは、塩素系洗浄剤は酸性の洗浄剤だけでなく、酢やレモン果汁、エタノールと混ぜた場合にも塩素ガスが発生した。

同センターは「浴室などで事故が発生しています」として、注意を呼びかけている。

吸入事故の原因、最も多いのは洗浄剤

国民生活センターの発表(2026年3月18日)によると、厚生労働省の「家庭用品に係る健康被害の年次とりまとめ報告」では、2021〜2024年度の家庭用品に係る吸入事故等の原因は「洗浄剤(住宅用・家具用)」が最も多い。

中でも、浴室などで使われる「次亜塩素酸塩類含有のカビ取り用洗浄剤」によるものが多くの割合を占めている。

2020年4月〜2026年1月の約6年間に、全国の消費生活センターなどには、塩素系洗浄剤から発生した塩素ガスに関する相談が約40件寄せられているという。

お風呂の掃除
お風呂の掃除

Toru Kimura via Getty Images

酢と混ぜても数分で40ppm超

このような状況を受け、国民生活センターはテストを実施。

市販の塩素系洗浄剤のうち、浴室のカビ取り等をうたう商品を他剤と一緒に使用したときの塩素ガス濃度を調べた。

その結果、塩素系洗浄剤を酸性の洗浄剤と混ぜると、数分で塩素ガス濃度が50ppmを超えた。酢と混ぜた場合も、数分で40ppmを超えた。

浴室でのテストでは、床にスプレータイプの塩素系洗浄剤と酸性洗浄剤を使うと、2〜3分で塩素ガス濃度が16ppmを超えた。換気扇を回した場合は、回さない場合より早く濃度が下がった。

なお、報告書に掲載された塩素ガスの濃度と吸入による急性中毒症状を示す表を見ると、1.0ppmが長時間に耐え得る限界とある。

3.5ppmでは強い刺激臭を感じ、眼、鼻、のどに刺激が出るほか、14~28ppmでは、のどに即座に刺激があり、せきが出るとされている。

排水トラップに洗浄剤が残る

医療機関ネットワークには、こんな事例も寄せられている。

「自宅の浴室で排水口の掃除をしていた。水酸化ナトリウム系のジェル状パイプ洗浄剤を使用し、いったん水で流した後に、塩素系の発泡する洗浄剤を使用したところ、気分不良、喉頭違和感、四肢のしびれが出現したため、換気を行い救急要請した」

テストでは、使用後に流す水が少ないと、浴室の排水トラップに洗浄剤が残ることも分かった。

塩素系洗浄剤を使った後に600mLの水を流し、排水トラップにたまった水(封水)のpHを調べたところ、2回流しても12のままで、8まで下がったのは10回流した後だった。

国民生活センターは、排水トラップ内には以前に使用した洗浄剤が残留している場合があるとして、使用後は十分に水を流し、他の洗浄剤等を続けて使用しないよう呼びかけている。

「必ず単独で」

国民生活センターは、塩素系洗浄剤は必ず単独で使用し、他の製品と混ぜないよう呼びかけている。

使用する前に表示や取扱説明書を確認したうえで、使用中は換気扇を回したり、窓を開けたりして十分に換気し、手袋やマスク、ゴーグルなどを着用するよう求めている。

塩素ガスが発生した場合はその場を離れ、吸い込んだ場合は医師に相談するよう、としている。

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