拡大する企業のAI活用 勤務評価・リストラも

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2024年1月11日(木)、ラスベガスのシーザーズ・パレスで、ある子供がロボットのデザートブースに向かって手を振っている。シェフのようなロボットやバリスタロボットが、ラスベガスで開催された年次技術見本市「CES」で話題を呼び、人工知能(AI)の時代においてカジノの組合員たちが抱く「職が奪われるかもしれない」という懸念にスポットライトが当てられた。(AP通信/タイ・オニール)

By Sean Salai – The Washington Times – Thursday, May 14, 2026

 企業は、就職希望者の選別に人工知能(AI)を使う段階から、人員削減で誰を解雇すべきかについてAIの助言を受ける段階へ移行している。最近の労働力調査で明らかになった。

 オンライン履歴書作成サービスのマイパーフェクトレジュメが企業の採用担当1000人を対象に行った調査によると、52%が「組織再編や勤務評価を含む労働力計画の意思決定」のための生産性データ生成にAIを利用していると答えた。

 一方、人事責任者の28%はAIの利用を検討中と回答した一方、20%は解雇通知を出すためにAIを使う予定はないと答えた。

 マイパーフェクトレジュメのキャリア専門家ジャスミン・エスカレラ氏は、この結果について、AI利用が「採用プロセスを超え、より広範な組織的意思決定へ拡大している」ことを裏付けていると述べた。

 同氏は電子メールで「AIは大量のデータを分析し、パターンを特定することで有益な洞察を提供できる。しかし、人員配置の決定を左右する唯一の要因であってはならない」と語った。

 マイパーフェクトレジュメの調査報告「雇用でのAI利用」によると、AI技術は採用担当者の間で広く普及している。調査対象の採用責任者の73%が、「膨大な数の応募」を処理するためAIを利用していると答えた。

 近年、AIによる自動化によって一部の技術系労働者が失業に追い込まれ、それらの仕事はAI支援型の職種へ置き換えられている。この新しい職種には、彼らが持たない技能が必要とされる。

 コンサルティング会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスは先週、4月の人員削減理由として、AIが2カ月連続で最多だったと報告した。企業は先月発表した2万1490人分の削減について、AIを理由に挙げており、全削減数の26%を占めた。

 同社によると、先月の人員削減計画全体のうち、AI関連は約16%に達し、3月時点の13%から上昇した。4月の削減8万3387件の大半は技術系企業で発生した。

 同社の雇用専門家で最高収益責任者(CRO)のアンディ・チャレンジャー氏は、「個々の仕事がAIに置き換えられているかどうかに関係なく、その職務に充てられていた資金はAIへ向かっている」と語った。

 米労働統計局の最新報告によると、4月の新規雇用は11万5000人で、失業率は4.3%で変わらなかった。

 雇用増加は小売業、医療、輸送、倉庫、接客業によるものだった。一方、AI自動化の影響が最も大きい情報サービス部門では、1万3000人分の雇用が失われた。

 アトランタでAI生成データを人事管理者向けに提供する企業イルーミナスの最高経営責任者(CEO)ノエル・ロンドン氏は、「AIはもはや目立たない裏方の事務ツールではない。雇用の『門番』として機能するケースが増えている」と語った。

 ワシントン・タイムズ紙の取材に応じた業界関係者らは、マイパーフェクトレジュメの報告書について、企業がひそかにAIを利用して業務を自動化し、人員削減を提案させ、現在の従業員に不足している技能を必要とするAI支援型職務を新設している実態を裏付けていると語った。

 ミシガン州のキャリア支援会社バーティカル・メディア・ソリューションズの上級マネージングパートナー、ジョエル・マロッティ氏は、「簡潔に言えば、その通りだと思う。数字は正確で、むしろ今後の方向性を過小評価している可能性がある。統計は、現場でわれわれが見ている状況とかなり一致している」と述べた。

 米企業は2010年代から、履歴書の処理・選別にAIアルゴリズムを利用してきた。

 アイダホ州の求人サイト「レッドバルーン」のCEO、アンドリュー・クラプシェッツ氏は、最近のAI利用拡大について、「この流れに対する大きな反発がまもなく起きる」と語った。

 「現在の人事分野でのAI導入は、流行主導のバブルのように感じられ、悪い形で崩壊する可能性がある。AIでは、企業文化に合う人物かどうかや、労働倫理を評価することはできない」

■AIへの不安

 レジュメ・ナウが1月に実施した調査では、労働者1006人の60%が、今年末までにAIが生み出す仕事は失われる仕事より少ないと答えた。

 同調査では、51%がAIによる失職を懸念し、46%が「2030年までに自分はボットに置き換えられる可能性がある」と答えた。さらに54%は、今後3年間でAIが自身のキャリアに与える影響について悲観的見通しを示した。

 ソフトウェア・ファインダーのCEO、アドナン・マリク氏は、企業がこうした不安を克服するための方針を整備するには時間がかかると予測した。

 「誰を配置転換し、解雇するかを決めるには、法的責任や潜在的偏見、人々の生活を考慮しなければならない。そのため、人事部門や法務部門は通常、進歩する技術への対応が遅れる」

 同社の最近の「AI疲労調査」では、求職者の75%が応募書類作成にAIを利用していた。また、従業員の36%が技術に取って代わられることを恐れ、公平な採用判断をAIに任せられると答えたのは10人に1人だけだった。

 こうした不安に根拠がないわけではない。マリク氏は、アマゾンが2018年、AI採用支援システムを停止したことを明らかにした。女性の求職者に偏見を持つようになったことが判明したためだ。

 マリク氏は「誰もが採用にこの技術を使っているが、完全には信用していない」と述べた。

 専門家らは、「JobCopilot」や「LazyApply」のようなAIプログラムで作成された文書を、多くの人事担当者が見抜けない点を問題視している。雇用法専門弁護士らは、その結果、人種や性別、年齢、障害、宗教を理由に、一部候補者が違法に排除されている可能性を警告している。

 アリゾナ州フェニックスの法律事務所「ギャラガー・アンド・ケネディ」で雇用法部門の責任者を務めるヘイリー・ハリガン氏は、「現在、多くの企業は1つの職種に数百、数千件の応募を受けており、自動選別ツールはほぼ不可欠になっている。もしAI採用ツールが差別的影響を生み出した場合でも、責任を負うのは企業側であり、連邦法や州法に抵触したとして提訴される可能性がある」と述べた。

■人間的要素

 マイパーフェクトレジュメの報告書は、AIプログラムが採用過程の早い段階で有能な候補者を排除していることも確認した。

 調査対象の人事担当者の65%は、人が応募者を見る前に、AIボットが自動的に不採用にしていると答えた。また47%は、「本来なら選考を進めたかった候補者がAIによって除外された可能性がある」と答えた。

 一方、調査対象の採用責任者の51%が、人員削減に関して「AIは公平に利用されている」との見方を示した。

 23%は疑念を示し、残る26%は「解雇判断にAIを利用していない」と答えた。

 報告書は、企業がAI使用指針を従業員や応募者に周知させるよう求めている。

 同社のキャリア専門家エスカレラ氏は、「チームがAIに過度に依存すると、意思決定がデータ偏重になり、潜在能力や成長の可能性、書類上には表れないチームへの貢献など、重要な文脈を見落としかねない」と語った。

 シアトル拠点の採用アドバイザーで、アマゾンの採用選考支援経験を持つキャロリン・イルマン氏は、一部企業が最近、AIボットを使って応募者を直接面接したり、録画映像を分析したりしていることに懸念を示した。

 ただし同氏は、企業によるボット利用拡大が進むほど、弱さを見せること、人間的なつながりを築くことが、仕事を獲得し、継続する上で一層重要になると予測している。

 イルマン氏は「結局のところ、AIは人間の代わりにはなれないと思う」と語った。

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