恐竜時代の森には、すでに「ホタルの光」があった
今回見つかった化石は、ミャンマー産のビルマ琥珀に閉じ込められていました。
琥珀とは、太古の樹脂が長い時間をかけて固まったものです。
粘り気のある樹脂に小さな昆虫が捕まり、そのまま樹脂が化石化すると、まるで時間を封じ込めたカプセルのように、当時の姿を細かく残すことがあります。
今回の標本も、わずか数ミリほどの小さな雄の甲虫でした。
しかし、その保存状態は非常に良く、チームは大きな眼、糸状の触角、6つの腹部腹板、そして雄に見られる2つに分かれた発光器を確認しました。
【発見された琥珀中の化石画像がこちら】
この「2つに分かれた発光器」が重要です。
現代の多くのホタルは、腹部にある発光器で光を出し、求愛や警告などのシグナルに利用しています。
今回の化石にも、それに近い発光器の構造が見られたため、チームはこの甲虫をホタル科の中でも、現代のホタルに近いルキオリナ亜科に属するものと判断しました。
つまり、恐竜がまだ地上を歩いていた白亜紀中期の森では、すでに現代のホタルに通じる仲間が存在し、夜の暗がりで光を放っていた可能性があるのです。
ただし、ここで注意したいのは、この研究が「ホタルの発光が9900万年前に誕生した」と証明したわけではない点です。
今回わかったのは、少なくとも約9900万年前には、発光器を備えたルキオリナ亜科のホタルが存在していたということです。
発光そのものの起源は、さらに古い可能性もあります。









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