「あくびの伝染」は母と胎児の間でも見られる

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「母親のあくび」は胎児にも伝染する可能性

あくびは眠気や退屈のサインというイメージが強いですが、実は多くの動物にみられ、その原因についてはいくつかの説が存在します。

人間でも、胎児のあくびは妊娠中から確認されています。

しかも胎児は空気を吸えないにもかかわらず、ゆっくり口を開き、しばらくその状態を保った後、すばやく閉じるという、大人とよく似た特徴的な動きを見せます。

一方で、大人のあくびには「伝染性」があります。

他人のあくびを見ると、自分もつられてあくびをしてしまう現象です。

では、胎児のあくびにも、母親の行動が影響するのでしょうか。

研究チームはこの疑問を確かめるため、妊娠28〜32週の妊婦38人を対象に実験を行いました。解析に使えたのは36組です。

母親たちは静かな部屋で、3種類の映像を見ました。1つ目は人があくびをする映像、2つ目は単純に口を開けたり閉じたりする映像、3つ目は無表情の顔を映した映像です。

この間、母親の表情はビデオカメラで撮影され、胎児の顔は超音波装置によってリアルタイムで記録。

研究者たちは胎児の鼻や唇の動きを詳細に追跡し、DeepLabCutという解析ツールで口の開き方の時間変化を数値化しました。

また、単なる口開けと「あくび」を混同しないよう、3人の評価者が映像を1コマずつ確認しました。

短い口の開閉は除外され、「口をゆっくり開き、数秒間維持し、その後すばやく閉じる」という特徴的な運動だけを「あくび」と判定しています。

その結果、胎児のあくびは、母親があくびしやすい「あくび映像」の条件で特に増え、さらに母親のあくびの後に起こりやすいことが分かりました。

単なる口の開閉や静止顔では、同じような増加は見られませんでした。

では、母子のあくびはどのように同期していたのでしょうか。より詳細な結果は次項で見ていきましょう。

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