トークン化株式「取引高33倍超」競争軸は発行から流通へ|バイナンス調査

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この記事の要点

  • バイナンス・リサーチ、トークン化株式市場の急拡大を報告
  • 取引高33倍超、競争軸は「発行」から「流通・活用」へ

まずはトークン化株式を詳しく

トークン化株式が急拡大、取引高33倍超に

大手仮想通貨取引所Binance(バイナンス)のリサーチ部門は2026年9月11日、トークン化株式市場の動向をまとめたレポートを公表しました。

レポートによると、トークン化株式のアクティブ時価総額は9月9日時点で約40億ドル(約6,140億円)に達し、2026年初の9億6,500万ドル(約1,480億円)から314%増加しました。

取引高の伸びは市場規模の拡大をさらに上回り、月間取引高は1月の2億3,700万ドル(約365億円)から8月には79億ドル(約1兆2,100億円)へと33倍以上に膨らんだとレポートは報告しています。

月間取引高がアクティブ時価総額に占める割合も1月の0.23倍から上昇し、7月には3.32倍、8月には2.14倍となっています。

レポートは、こうした取引の拡大から、トークン化株式市場の成長要因が「発行」から「流通」へと移りつつあると分析しています。

株式トークン取引が2社に集中、用途も多様化

取引シェア88%がbStocksとロビンフッドに

レポートによると、bStocksとロビンフッドを合わせた取引高シェアは6月の0.8%から7月に34.3%、8月に82.3%、9月の集計時点では87.8%まで上昇しています。

チェーン別でも、BNBチェーンとロビンフッド・チェーンの合計シェアは6月の2.3%から8月に83.0%、9月には88.2%へ高まったとしています。

bStocksの初期利用者の58.5%は無期限先物(パーペチュアル)や現物株式など隣接する商品をすでに取引しており、SPCX無期限先物の取引ユーザーでは8.6%がbStocksも利用した一方、現物株式を利用した割合は0.6%にとどまりました。

bStocks内では取引対象も分散しており、上位5銘柄の合計シェアは98.7%から84.6%へ低下し、最大銘柄QQQの比率も95.2%から66.0%へ縮小しています。

株式トークンのDeFi活用が12倍超に

取引の拡大に加え、トークン化株式をオンチェーン上で運用する動きも広がっています。

DeFi(分散型金融)で運用されるトークン化株式のアクティブなTVL(預かり資産総額)は、年初の2,160万ドル(約33億円)から9月9日時点で2億8,910万ドル(約445億円)へと1,242%増加し、アクティブ時価総額に占める割合も2.2%から7.2%へ上昇したとレポートは示しています。

用途別では65.4%が流動性プール、28.1%がレンディング(貸付)に充てられ、ネットワーク別ではBNBチェーン・ロビンフッド・チェーン・ソラナ(SOL)の3チェーンで市場シェアの約90%を占めています。

なかでもbStocksでは担保としての利用が増えており、預けた担保に対する借入残高の比率は6月末の5.5%から9月10日時点で46.2%へ上昇し、担保額680万ドル(約10.4億円)に対して約310万ドル(約4.8億円)が借り入れられています。

クオート資産化が進む株式トークン

トークン化株式の用途はDeFiでの運用だけでなく、他の仮想通貨(暗号資産)との取引にも広がっています。

株式トークンとミームトークンを組み合わせた市場では、7月26日から9月9日までにロビンフッド・チェーン上で約24.9億ドル(約3,820億円)、BNBチェーン上で約29.0億ドル(約4,450億円)の取引高を記録したとレポートは報告しています。

レポートが引用した調査会社SQDの分析によると、ロビンフッド・チェーンの調査対象では、8月30日までの株式トークンのDEX累計取引高の32.1%(約1,090億円)が、他のトークンとの取引によるものだったといいます。

バイナンス・リサーチは、こうした取引を踏まえ、トークン化株式が仮想通貨ネイティブ市場でクオート資産として使われ始めていると分析しています。

NYSEも参入、競争軸は流通・活用へ

トークン化証券を巡っては伝統金融からの参入も進んでおり、ICE傘下のニューヨーク証券取引所(NYSE)は、現実資産(RWA)トークン化大手のSecuritize(セキュリタイズ)と覚書を締結し、トークン化証券の取引・決済基盤づくりに向けた協力を進めています。

こうした動きが広がるなか、バイナンス・リサーチは、トークン化株式を発行するだけでなく、既存ユーザーを取引へ取り込み、上場後も流動性を維持できるかが各プラットフォームの差を分けるとの見方を示しました。

取引時間外の売買に加え、DeFiでの担保・レンディングや他のトークンとの取引など、オンチェーン上で利用できる範囲も競争要因に挙げています。

トークン化株式市場では、発行後にどれだけ取引を集め、オンチェーン上で利用される環境を築けるかが、今後の各プラットフォームを分ける競争軸になりつつあるとレポートは分析しています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=153.58 円)

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Source:Binance Researchレポート
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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