サッポロビール株式会社は8月7日、株主優待制度の拡充と2026年12月期第2四半期(中間期)決算を同時に発表した。
なお同社は2026年7月1日付で、完全子会社だったサッポロビール株式会社を吸収合併し、自社の商号を「サッポロホールディングス」から「サッポロビール株式会社」に変更している。
株主優待制度を拡充、長期保有者優遇へ
今回の変更は、次期「中期経営計画2027-2030」の策定に合わせ、株主還元の拡大とサッポログループへの理解促進を目的に実施するとしている。
対象株主の条件も変わる。現行は保有株式数のみが基準だったが、新制度では「100株以上保有」に加え「継続して1年以上保有(株主名簿基準日に3回以上連続して記録)」が条件に加わる。ただし初年度(2026年12月31日基準日)は、保有期間1年未満でも1年以上とみなす経過措置がある。
また、2025年12月31日基準の「1株→5株」株式分割に伴い、優待の対象株数区分も分割後の株式数(分割前100株→分割後500株、200株→1000株、1000株→5000株)に置き換わる。
【現行制度(分割前の株式数基準)】
100株~199株:ビール6缶/食品・飲料1500円相当/寄付1000円のいずれか一つを選択(3年以上保有)、ビール4缶/食品・飲料1000円相当/寄付1000円のいずれか一つを選択(3年未満保有)
200株~999株:ビール12缶/食品・飲料3000円相当/寄付2000円のいずれか一つを選択(3年以上保有)、ビール8缶/食品・飲料2000円相当/寄付2000円のいずれか一つを選択(3年未満保有)
1000株以上:ビール20缶/食品・飲料4500円相当/寄付3000円のいずれか一つを選択(3年以上保有)、ビール12缶/食品・飲料3000円相当/寄付3000円のいずれか一つを選択(3年未満保有)
※これとは別に、200株以上保有の株主には「サッポロライオン」など傘下の飲食店グループで使える20%割引券(5枚)を贈呈
【新制度(分割後の株式数基準)】
100株~299株:保有期間にかかわらず電子クーポン1000ポイントを贈呈(選択肢はなし)
300株~999株:電子クーポン4000pt/ビール12缶/飲料3000円相当/寄付3000円のいずれか一つを選択(3年以上保有)、電子クーポン2000pt/寄付2000円のいずれか一つを選択(1年以上3年未満保有、ビール・飲料は選べない)
1000株~1999株:電子クーポン8000pt/ビール24缶/飲料6000円相当/寄付6000円のいずれか一つを選択(3年以上保有)、電子クーポン4000pt/寄付4000円のいずれか一つを選択(1年以上3年未満保有)
2000株以上:電子クーポン15000pt/ビール48缶/飲料12000円相当/寄付12000円のいずれか一つを選択(3年以上保有)、電子クーポン8000pt/寄付8000円のいずれか一つを選択(1年以上3年未満保有)
※これとは別に、1000株以上保有の株主には「サッポロライオン」など傘下の飲食店グループで使える20%割引券(5枚)を贈呈。
新たに導入される電子クーポンは、株主限定Webサイト(本年中に開設予定)で取得し、サッポログループのECサイトや国内店舗で1ポイント=1円として利用できる。3年以上の長期保有株主がクーポンを選ぶと、他の選択肢より多いポイントが付与される。
分割前後で比較すると、長期保有株主の受け取れるビールは、分割前100株保有で6缶→12缶、分割前1000株保有で20缶→48缶に増量される。
一方、保有期間1年以上3年未満の株主は、300株(分割後基準)以上の区分でビールや飲料を選べなくなり、電子クーポンか寄付に限定される点は注意したい。
株主還元方針も同時に強化
優待拡充と合わせて、株主還元方針の見直しも発表された。2030年までのDOE(株主資本配当率)目標をこれまでの4%から5%以上に引き上げる。累進配当の導入や自社株買いの実施も明言しており、株主還元を全体的に強化する姿勢を打ち出した。
中間決算、事業利益は増益も営業利益は58億円の赤字に
同日発表された2026年12月期第2四半期(中間期)の連結決算(IFRS)は、売上収益が2359億円と前年同期比0.3%増でほぼ横ばいだった。本業の実力を示す事業利益は67億円と同37.2%の増益となり、ビール販売の好調と不動産事業への外部資本導入が業績を押し上げた。
一方、営業利益は構造改革費用や減損損失の計上が重荷となり、マイナス58億円の赤字に転落している。
親会社の所有者に帰属する中間利益は2954億円(前年同期17億円)と大きく膨らんだ。6月に不動産事業を外部に切り出した際の売却益が主因で、一時的な要因による増加である。
なお2月に示された通期見通し(売上収益5050億円、営業利益60億円、親会社帰属利益2960億円)は、8月の中間期決算時点でも修正されていない。中間期の段階で、純利益はすでに通期予想に近い水準まで積み上がっている。

Trading View
優待拡充と決算、株主還元方針の発表があった8月7日、株価は好感され前日終値1926円から1960円(+34円、+1.77%)へ上昇して取引を終えた。その後は上昇分を維持しきれず、営業利益の赤字転落も意識される中、株価はやや軟化して一進一退の展開となっている。
※本記事は、事例として取り上げた金融商品の売買を勧めるものではありません。本記事に記載した情報によって読者に発生した損害や損失に関しては、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。

2 ヶ月前
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