ひきこもりと聞くと、多くの人は「部屋に閉じこもってネットやゲームに没頭する若者」を思い浮かべるかもしれません。
ですが、この現象が最初に強く注目されたのは、インターネットがまだ生活の中心ではなかった時代の日本でした。
ひきこもりという言葉は日本で生まれ、日本で社会問題として定着し、英語圏の初期研究でも長いあいだ「日本文化に特有の問題」として紹介されていました。
実際は、各国でも似た状態の人は報告されてはいたのですが、それらは、不登校、失業、抑うつ、不安障害、NEETなど、別々の問題として扱われることが多く、「ひきこもり」という一つの現象としては認識されていなかったのです。
ところが近年は、オンライン環境の充実に伴い世界的に「ひきこもり」と呼べる状態の人たちが増加してきています。そのため、現在では日本語のままの HIKIKOMORI という語が国際的に使われるほど、世界各地で見られる社会的孤立の一形態として論じられるようになりました。
特にコロナ禍を境に、ひきこもり問題は世界的に注目されるようになっています。
しかし、こうした話を聞くとなんとなく違和感を覚える人も多いのではないでしょうか?
それは、ひきこもりは本当に1種類なのかという疑問です。
もともと日本で強く意識されたひきこもりは、不登校や社会不適応をきっかけに外の世界から退いていく「退避型」として理解されることが多くありました。
ところが現在は、オンラインゲーム、ソーシャルメディア、動画配信、在宅就労、オンライン学習などによって、部屋の中にいながら交流や娯楽、場合によっては仕事まで成り立つ時代になっています。
そうなると、昔ながらの「社会から逃れるためのひきこもり」と、オンライン空間に生活の軸を移した現代的なひきこもりを、同じものとして扱ってよいのかが問題になってきます。
近年の研究では、病的なひきこもりと、必ずしも強い苦痛や機能障害を伴わないひきこもりを分けて考えるべきだという議論が強まっているのです。こうした考え方は、ひきこもりを直すための対処法についても慎重に考える必要を示しています。
The Japanese Hikikomori Phenomenon: Acute Social Withdrawal among Young People https://doi.org/10.1111/j.1467-954X.2008.00790.x Shifting the paradigm of social withdrawal: a new era of coexisting pathological and non-pathological hikikomori https://doi.org/10.1097/yco.0000000000000929 The relevance of educational contexts in the emergence of Social Withdrawal (hikikomori). A review and directions for future research https://doi.org/10.1016/j.ijedudev.2023.102756 Functional assessment of hikikomori behaviors: Functional types and psycho-behavioral factors https://doi.org/10.1016/j.jbtep.2025.102038









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