「色が変わるハチ」の真相を探る
動物の体色は、単なる見た目ではなく、生存や繁殖に関わる重要な性質です。
例えば、外敵から身を隠すカモフラージュや、仲間へのアピール、さらには体温調節にも関係しています。
そのため体色の多くは、環境への適応など、長期的な要素が関わっていると考えられてきました。
しかし、色の違いにはもっと身近で短期的な原因があるかもしれません。
研究者や観察者の間では、金属光沢を持つハチの色が、状態や一時的な環境の違いによって違って見えることが以前から指摘されていました。
また、同じハチでも、地域による色の違いも指摘されていました。
研究チームは、これらの違いの原因が湿度にあるのではないかと考えました。
そこで彼らは、北米のコハナバチの一種、Agapostemon subtilior を対象に、湿度の影響を直接検証しました。
このハチは、金属のような緑や青の光沢を持つことで知られています。
その色は色素ではなく、体表の微細な構造が光を反射する「構造色」によって生まれます。
構造色は小さな形の違いに敏感なため、水分によって見え方が変わる可能性があります。
実験では、ハチの標本を高湿度、約95%の環境と、低湿度、10%未満の環境に置き、約55時間にわたって撮影しました。
色の変化は目視だけで判断せず、画像から赤と青の成分比を測ることで数値化しています。
また、新しく採集された標本と、数年前に採集された古い博物館標本を比べ、保存期間による違いも調べました。
さらに研究チームは、市民科学プロジェクト「iNaturalist」に投稿された写真も分析しました。
1738件の記録から、体色を確認しやすい雌の写真1035枚を選び、撮影地点の湿度データと照らし合わせたのです。
その結果、実験室では、湿度が高いと赤みを帯び、乾燥すると青みが強くなる変化がはっきり確認されました。
では、どうして湿度で色が変わるのでしょうか。より詳しい結果と共に見ていきましょう。









English (US) ·
Japanese (JP) ·