”髪の毛より細い繊維”の中に電子回路を構築【1mでPCレベルの処理能力】

3 ヶ月前 17

髪の毛より細い!計算できる繊維「ファイバーチップ」を開発

衣服や繊維に電子機能を持たせる研究は、これまでも数多く行われてきました。

温度や圧力を感知するセンサー、光る繊維、電力を蓄える糸など、「感じる」「光る」「動く」布は、すでに現実のものになりつつあります。

しかし、これらの技術には決定的な弱点がありました。

それは、情報を処理する中枢を繊維の中に持てなかったという点です。

従来のスマートテキスタイルでは、繊維が集めた情報を外部のスマートフォンコンピュータに送って処理する必要がありました。

その結果、配線や硬い部品が不可欠となり、布本来の柔らかさや着心地が損なわれてしまいます。

この問題の背景には、電子チップの構造があります。

一般的な半導体チップは、平らで硬いシリコン基板の上に作られています。

一方、繊維は極めて細く、曲がり、ねじれる構造をしています。

この形状の違いが、「本格的な計算回路を繊維に組み込む」ことを長年難しくしてきました。

そこで研究チームは、従来の発想を捨てました。

繊維の表面に回路を貼り付けるのではなく、繊維の内部空間そのものを回路として使うという方法を選んだのです。

具体的には、電子回路を薄い層として何重にも巻き重ねる「多層らせん構造」を採用しました。

この設計により、限られた断面積を最大限に活用しながら、高密度な回路を繊維の中に収めることが可能になりました。

こうして誕生したのが、ファイバーチップ(またはFibre Integrated Circuit, FIC)です。(画像はこちら。※プレスリリース

ファイバーチップの太さは直径およそ50マイクロメートルで、一般的な人の髪の毛(平均約70マイクロメートル)よりも細いサイズです。

では、この繊維タイプのチップの性能はどれほどでしょうか。

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