除草剤を少しだけ浴びた雑草、花が1.5倍近くに増えると判明

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畑の外に漂う「ほんの少しの除草剤」

散布中の薬の霧が、風に流されている様子です。アメリカ環境保護庁は、ジカンバが環境に与える心配のうち一番のものとして、飛散や蒸発によって、狙っていない周りの植物が薬を浴びることを挙げています。散布中の薬の霧が、風に流されている様子です。アメリカ環境保護庁は、ジカンバが環境に与える心配のうち一番のものとして、飛散や蒸発によって、狙っていない周りの植物が薬を浴びることを挙げています。Credit: Adrian S Pye / Wikimedia Commons(CC BY-SA 2.0)

散布した除草剤が狙った畑の外へ漂い出す現象は、「ドリフト(飛散)」と呼ばれます。

飛散した薬を浴びた周りの植物がどうなるのかは、生態や進化の面からは、まだよく分かっていません。

一方で、ふつうは毒になる物質が、ごく少量だと逆に生き物を元気づけることがあります。

この現象は「ホルミシス」と呼ばれ、除草剤を浴びた植物でも報告されてきました。

ただ、それが雑草の生き残りや進化にどう関わるのかを調べた研究は、ほとんどありませんでした。

そこで研究チームが注目したのが、カタバミの仲間「オキザリス・ストリクタ」です。

この草は北アメリカとユーラシアに広く生え、畑や道ばた、街なか、森の下草として見られます。

葉には酸っぱい成分(シュウ酸)が含まれ、料理に酸味を足すのに使われることもあります。

オキザリス・ストリクタの地下茎、茎、葉、実(さや)が写っています。この草は種をつくるほか、地下茎で増えることもできます。オキザリス・ストリクタの地下茎、茎、葉、実(さや)が写っています。この草は種をつくるほか、地下茎で増えることもできます。Credit: Ayotte, Gilles, 1948- / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)

その一方で、農地や芝生では厄介な雑草とされ、抜いても薬を使っても取り除きにくい草です。

この草は主に自分の花粉で受粉して種をつくり、地下茎で増えることもできます。

実験は、2022年と2023年に、野外の畑で行われました。

チームは、いくつもの母系の家系について、それぞれ複数の株を用意しました。

株はあらかじめ2組に分けて植えておき、畑で22日育てたところで、片方にジカンバという除草剤を吹きかけました。

カタバミの仲間を2組に分けて、除草剤を少しだけかけた組とかけない組を比べた、実験の手順の図です。どちらの組にも薬を葉に広げる補助剤をかけているので、2組の違いは薬そのものの効き目だと分かります。カタバミの仲間を2組に分けて、除草剤を少しだけかけた組とかけない組を比べた、実験の手順の図です。どちらの組にも薬を葉に広げる補助剤をかけているので、2組の違いは薬そのものの効き目だと分かります。Credit: ナゾロジー編集部(編集部が作成した図)

濃さは畑で勧められている量の約0.7%、およそ140分の1で、流れてきた霧を浴びる程度を想定した量です。

もう片方には、薬を葉に広げる補助剤だけを同じ濃さで吹きかけ、薬そのものの効き目を比べられるようにしました。

吹きかけには手持ちの噴霧器を使い、実際の飛散のように、薬がむらにかかる様子をまねました。

そのうえで、株の育ち方や花の数と大きさ、種の数、花を訪れる虫の数を調べていきました。

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