身近な「厄介な人」1人につき、老化が1.5%早まる

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厄介な人が身近にいると生物学的年齢が9カ月高い

人間関係が健康に良いという話は、これまで多くの研究で示されてきました。

友人や家族とのつながりはストレスを和らげ、孤独を減らし、さらには寿命にも好影響を与えることが知られています。

しかし研究者たちは、ここに見落とされてきた側面があるのではないかと考えました。

人間関係は必ずしも支えになるものばかりではなく、むしろ強いストレスを生み出す関係も存在するからです。

現実には、社会関係の中には会うたびに問題を起こしたり、人を批判したり、関わると疲れてしまう人物もいます。

研究者たちはこうした人物を「hasslers」と呼び、人生を困難にする関係として調べました。

そこで研究チームは、こうした困った人間関係が生物学的な老化に関係しているのかを調べることにしました。

研究には、アメリカ・インディアナ州の成人2345人が参加。

調査ではまず、参加者に自分の社会ネットワークを詳しく挙げてもらい、普段関わっている人々について回答してもらいました。

平均すると、参加者の社会ネットワークには約5人の人物が含まれていました。

そのうえで研究者たちは、それぞれの人物について「この人はどれくらいの頻度で、あなたを困らせたり、問題を起こしたり、人生をややこしくしたりしますか」とたずねました。

その中で「よくある」とされた人物が、厄介な存在であるhasslersとして分類されています。

さらに研究者たちは、参加者から唾液サンプルを採取。

ここからDNAメチル化と呼ばれる化学的な変化を分析し、体の老化状態を測定したのです。

DNAメチル化とは、遺伝子の働きを調整する仕組みの1つであり、年齢や健康状態と深く関係していることが知られています。

近年では、この変化のパターンを調べることで「生物学的年齢」を推定できるようになっています。

研究では、GrimAge2という生物学的年齢の進み具合を示す指標と、DunedinPACEという老化の進む速さを示す指標の2つが使われました。

そして分析の結果、興味深い傾向が明らかになりました。

まず、約30%の人が少なくとも1人の”厄介な人”を抱えており、こうした厄介な人間関係は決して珍しくないことが分かりました。

さらに重要なのは、身近な厄介な人の数が増えるほど老化の速度が速くなる傾向が見られたことでした。

具体的には、厄介な人が1人増えるごとに、生物学的老化は約1.5%速く進むことが示されました。

また、同じ年齢の人同士を比べると、生物学的年齢は平均で約9カ月高い傾向も見られました。

言い換えると、身近な厄介な人物が多い人ほど、体は少しだけ「年上」になっている可能性があるのです。

では、どのような人間関係が特に強く関係していたのでしょうか。

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