「自分を愛さないと、他人は愛せない」は本当か?心理学者が検証

1 ヶ月前 11

「自己愛」ってなに?ナルシシズムとはまったく違う

まずチームが取り組んだのは、「自己愛とは何か」を定義することでした。

一般に、自己愛という言葉はナルシシズムと混同されがちです。

しかしナルシシズムは誇張された自己重要感や過剰な承認欲求を指す心理学用語であり、健全な自己愛とはまったく異なります。

心理学の近年のモデルでは、自己愛は大きく三つの要素に分けられます。

第一が「自己接触」です。

これは自分の感情や内面状態をはっきりと認識することを意味します。自分の強みや弱みを把握する、いわば“気づき”の能力です。

第二が「自己受容」です。

自分をありのまま受け入れる態度です。

否定的な感情も含めて受け止め、欠点を責めすぎない姿勢が含まれます。

第三が「セルフケア」です。

これは外向きの行動に関わります。

自分を丁寧に扱い、幸福を育てる行動を選ぶことです。

休養を取る、楽しい活動をする、苦しいときに自分を労わるといった行動がここに含まれます。

さらに研究では「自己コンパッション」も測定されました。

自己コンパッションとは、失敗や困難の場面で自分を友人のように扱う姿勢です。厳しく責めるのではなく、優しさを向ける態度です。

ここで重要なのは、自己愛は単なる自己評価の高さではなく、「自分をどう扱うか」という態度と行動の総体だという点です。

一方、他者との恋愛については「愛の三角理論」が用いられました。この理論によると、恋愛は次の三要素から成り立ちます。

・親密性(情緒的なつながりや温かさ)

・情熱(興奮や欲望)

・コミットメント(長期的に関係を維持する決断)

この三要素がどのように組み合わさるかで、恋愛の質が変わると考えられています。

そして実際の調査研究には、460人の成人が参加。

平均年齢は約27歳で、全員が恋愛関係にありました。

参加者は自己愛の三要素、自己コンパッション、そして現在の関係における親密性・情熱・コミットメントを詳細な質問票で評価しました。

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