(CNN) ナタリー・ハープ氏(35)は、断られても引き下がらなかった。
トランプ米大統領は2023年10月、法的問題を争うため、ニューヨーク市の裁判所に出廷する予定だった。しかしトランプタワーの自宅前で車列が待機する中、スタッフはより差し迫った問題に直面した。ハープ氏を乗せるスペースがなかったのだ。同氏はトランプ氏への並外れた忠誠心によって急速に側近としての地位を確立した人物。
事情を知る2人の関係者がCNNに語ったところによると、ロビーで怒鳴り合いになり、ハープ氏はトランプ氏本人から出廷に同行するよう頼まれたと主張した。座席を確保できなかったが、置いていかれまいと決意したハープ氏は、スポーツ用多目的車(SUV)のトランクに飛び込んだという。
これまで報じられていなかったこの一件は、近年そばを離れず、極めて献身的にトランプ氏を支えてきたハープ氏の役割を端的に示した出来事だ。こうしたやり方は古参の側近らをいらだたせ、時にはハープ氏を大統領の周囲から締め出そうとする動きにつながることもあったという。
右派系テレビ番組の元司会者で、トランプ氏に人生を救われたとして同氏の下で働き始めたハープ氏は、大統領と外界を結ぶ主要な窓口になった。盟友からのメッセージを伝え、会合を設定し、SNS「トゥルース・ソーシャル」に投稿を打ち込み、トランプ氏を称賛する記事を持ち歩く一方で、一日中いつでもトランプ氏の近くにいる。
「トランプ氏は、注目されることと、ハープ氏が100%献身的で忠実な点を気に入っている」と、ホワイトハウスの顧問の1人はCNNに語った。「彼女は批判したり、疑問を呈したりしない」

トランプ氏の記者会見中に報道を流すPCを置くハープ氏=5月30日/Francis Chung/Pool/Sipa USA
ハープ氏とトランプ氏の関係は今週、あらためて注目を浴びることとなった。民主党のジョン・オソフ上院議員が、トランプ氏を批判する演説の中でハープ氏の名前を挙げたためだ。オソフ氏は、「カタール首長から贈られた、どうも無防備らしい空飛ぶ宮殿でナタリーと移動している」と大統領を皮肉った。これはトランプ氏が7月のトルコからの出国時に、イランからの脅威を受け、ごく限られた一行とともにひそかに別機に乗り換えたときにハープ氏も同行していたことを指していた。
この発言にホワイトハウスは激怒し、オソフ氏を繰り返し罵倒。インターネット上でも大きな注目を集めた。
ハープ氏がトランプ氏の周辺で急速に地位を高めたのは、大統領への強烈な献身ぶりによるところが大きい。22年にスタッフに加わって以降、トランプ氏の再出馬に向けた陣営の中で正式な肩書を持っていなかったにもかかわらず、ハープ氏はトランプ氏について全米を回った。好意的な記事やSNS投稿、その他の連絡文書をあまりにも頻繁に手渡す姿は周囲から「人間プリンター」と命名されるほどだった。

2 時間前
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