
2013年10月3日、ミシシッピ州ジャクソンで、女性・乳幼児・児童向け特別栄養補助プログラム(WIC)のバッグがショッピングカートに置かれている。(AP通信/ロヘリオ・V・ソリス撮影)
By Stephen Dinan – The Washington Times – Thursday, July 16, 2026
米国土安全保障省は16日、福祉給付を利用した移民に対し、永住権(グリーンカード)の取得を認めない判断を入国審査官が下しやすくする新たな規則を発表した。バイデン前政権下で導入された「甘過ぎる」審査基準を撤回し、長年の「パブリックチャージ(公的扶助、公共の負担)」規定の適用を強化する。
マークウェイン・マリン国土安全保障長官は、移民は自ら生計を立てるべきであり、将来的に政府の経済的支援(生活保護など)に依存する可能性が高く、公共の負担となる恐れがある外国人の入国や永住権取得を拒否できるとする連邦法を適切に執行することが狙いだと説明した。
今回の変更で、合法的に滞在する移民が福祉制度を利用できなくなるわけではない。ただ、将来永住権を申請する際には、福祉給付の利用が審査で不利に働く可能性があることを示す内容となっている。
米市民移民局(USCIS)のザック・ケーラー報道官は「トランプ政権は法の支配を守り、公的給付に依存する可能性のある外国人への補助で米国の納税者が負担を強いられないようにする」と述べた。
国土安保省は、新たな規則により、移民が永住権取得への影響を懸念して福祉給付の利用を控えれば、今後10年間で1100億ドル以上の財政負担削減につながる可能性があると試算している。
新規則は9月に施行される。内容は475ページに及ぶ文書で公表された。
この問題を巡っては、保守派とリベラル派の間で規制の見直しを巡る攻防が繰り広げられてきた。
約20年間、政府は現金給付を伴う福祉制度の利用を主な判断材料として、「パブリックチャージ」に該当するかどうかを審査してきた。
第1次トランプ政権はこの基準を拡大し、医療保険制度「メディケイド」や住宅補助、低所得者向け食料支援(フードスタンプ)など、現金以外の給付も審査対象に加えた。
これに対し、バイデン政権はトランプ政権時代の基準を撤回する新たな規則を制定した。
今回、マリン氏はバイデン政権の規則を廃止したが、第1次トランプ政権時代の厳格な基準を全面的に復活させたわけではない。
新たな制度では、審査官が事案ごとに判断できる裁量が認められる。
マリン氏は規則の説明文で、「過度に制約的な基準によって、国土安保省職員がパブリックチャージに関する入国不許可判断を下す能力を縛ることを防ぐ」と述べた。
ジョージ・W・ブッシュ政権でUSCIS長官を務めたエミリオ・ゴンザレス氏は、「移民は自立し、パブリックチャージに依存すべきではないという考え方は、長年法律に盛り込まれてきた」と指摘する。
実際、パブリックチャージを理由とする入国拒否は19世紀後半から存在し、現在の法的根拠は1996年制定の移民法にある。
ただし、法律はパブリックチャージの定義を明確に定めておらず、政権には運用方法を決める広い裁量が認められている。
今回の規則では、最終判断は現場の審査官に委ねられる。
ゴンザレス氏は「国土安保省職員には相当広い裁量が与えられることになる」と述べた。
一方で、審査官が福祉給付の利用状況を確認できるデータにアクセスできるかどうかが課題になるとの見方も示した。
2019年に導入された第1次トランプ政権の規則が適用されていた期間には、4万7555件の申請が審査されたが、「パブリックチャージ」を理由に不許可となったのは3件だけで、さらに2件が不許可予定通知を受けた。
しかし、この5件はいずれも最終的には承認された。
それでも移民支援団体は、2019年の規則によって新型コロナウイルス禍の際に医療を含む公的支援の利用を移民がためらう「萎縮効果」が生じたと批判している。
新規則に反対意見を提出した「法律・社会政策センター(CLASP)」は、親が子供の医療や支援サービスの利用も控える恐れがあると警告した。
CLASPで移民・移民家族問題を担当するウェンディ・セルバンテス氏は「こうした萎縮効果は以前にも見られた。その結果、子供たちは成長や学習、健全な発達に必要な支援を受けられなくなる」と述べた。
移民専門弁護士チャールズ・クック氏もSNSで、新規則を「救いようがないほどひどい措置だ」と批判した。
一方、国土安保省のジェームズ・パーシバル法律顧問は、「外国人の中には、米国の寛容さを利用して米国の納税者を食い物にしてきた者もいる」と述べ、規則変更の正当性を訴えた。

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