水中の「網の壁」に飛び込む海鳥たち
刺し網から獲れたサケを外している作業のようすです(アメリカ海洋大気庁の昔の漁業写真の記録から)。昔の別の漁の写真で、今回の実験のものではありません。Credit: Unknown authorUnknown author / Wikimedia Commons(Public domain)刺し網(さしあみ)は、細かい目の網を壁のように海中に張り、泳いでくる魚をからめとる漁具です。
この網には、魚を追って水中に潜る海鳥も飛び込んでしまいます。
代表的なのが、ウミガラスやオオハシウミガラスといったウミスズメの仲間です。
網にからまった鳥は水面に戻れず、そのまま溺れてしまうことがあります。
このように狙っていない生き物が網にかかることを、混獲(こんかく)と呼びます。
2024年の推定では、ヨーロッパの海だけで毎年およそ3万1000羽のウミガラスがこうして死んでいます。
網を光らせる、漁具そのものを変えるなど、これまでも対策は試されてきました。
それでも研究チームは、刺し網から海鳥を守る道具はまだ十分に育っていないと述べています。
今回の分析を率いたのは、英エクセター大学のトム・ホートン氏です。
実験は、目玉ブイを作るイギリスの会社フィッシュテック・マリンが、コーンウォールの漁師たちと行いました。
イギリス・コーンウォールで、セント・マイケルズ・マウントの方を見た眺めです。実験に加わったのは、この地方の漁師たちです。Credit: ArildV / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)目玉ブイは、作り物の大きな目玉が並んだ頭がくるくる回るブイです。
目玉ブイの実際の写真はこちら(Earth.com) 画像1
同社とイギリスの野鳥保護団体RSPBが、8年かけて開発しました。
共著者のうち3人は同社で働いており、論文にもそのつながりが明記されています。
もう1つの道具である凧は、猛禽の形をした市販品です。
どちらの道具も、竹の棒と浮き、水中のおもりでできた漁具用の目印ブイのてっぺんに取り付けられ、海の上で立ったままになるよう工夫されていました。
実験には、岸近くで漁をする10人の漁師が、2023年10月から約1年半にわたって参加しました。
漁師たちは、網を3つ1組にして同じ漁場に仕掛けました。
1つには凧を、1つには目玉ブイを付け、残る1つには何も付けません。
こうすれば、場所の違いに左右されずに道具の効き目を比べられます。
仕掛けた網は、合わせて1,057張りにのぼりました。
つなげた長さは約129kmで、フルマラソンおよそ3本分です。
すべての船にカメラを付け、網を引き上げるたびに、かかった生き物を1匹残らず記録しました。






English (US) ·
Japanese (JP) ·