沖縄県警“高校生失明事件”にデマ再燃「暴走族」「無免許」ネットで根拠なき批判。誤解や誹謗中傷も

3 ヶ月前 22

沖縄県警の警察官が2022年、沖縄市内で当時高校生だった男性の右目を警棒で失明させた事件をめぐり、県議会は7月13日、約9100万円の損害賠償金を男性側に支払う議案を可決しました。

これに対し、ネットでは「高校生が暴走していた」「ノーヘル」「無免許」などと、根拠のないデマが広がっています。

賠償金の支払いが報じられると、ネット上では「暴走していた」「ノーヘル」「無免許」などの誤情報が再び拡散。男性は代理人を通じて「全く事実と異なる」とコメントを発表しました。

デマ再燃で元高校生「とても傷つけられている」

地元紙沖縄タイムスによれば、男性の代理人・金高望弁護士が7月14日、沖縄県庁記者クラブで会見し、男性のコメントを発表しました。

男性はコメントで「事件が発生した当時から、警察官の制止を振り切って逃走しようとした、暴走行為をしていた、ノーヘルだった、無免許だった、盗難車だったなど、全く事実とは異なることを前提として私を非難する書き込みが多数あった」と説明しました。

賠償金支払いの報道を機に誤情報が再燃していることについて、「なぜしっかりと事実確認もせず、誤った情報や憶測をもとに被害者である私を非難するのでしょうか」「このような書き込みを見ることで、とても傷つけられている」と心情を明かしています。

金高弁護士はこうした書き込みを「明らかな二次加害」とし、「毅然として対処をしていく」と述べたといいます。

暴走=デマ:「時速約25kmないし30km程度と認定」と裁判判決

この事件をめぐっては、那覇地裁が2023年12月、「基本的な注意義務に反する重大なもの」と警察官の過失を認定し、罰金100万円を言い渡しています。

判決では、バイクが時速25〜30kmで進行してくる中、警棒が接触すれば男性にけがを負わせる危険があったにもかかわらず、警察官は接触を避けるべき注意義務を怠ったと認定されています。

また、男性のバイクの速度についても、「時速約25kmないし30km程度」としており、速度だけを見れば「暴走」とは程遠いものであるとわかります。ヘルメット未着用や無免許についての記載もありません。

沖縄県警「暴走行為、ノーヘル、無免許など、署への襲撃事案への関与はなかった」

何より沖縄県警自身も、暴走やノーヘル、無免許などの情報について、「事実ではない」と否定しています。

沖縄タイムスによると、2022年11月の記者説明会で、県警の山内敏雄・警務部首席監察官(当時)は「被害者に対する事実と異なる、暴走行為、ノーヘル、無免許など、あるいは署への襲撃事案への関与など、そういうことはなかったと繰り返し申し上げてきた」と説明。

「今後も、被害者に対するSNSでの誹謗中傷がなくなるような報道をお願いしたい」と呼びかけました。

それでもSNSやネット上では現在、「暴走してるガキが警察官の行為でけがしてその賠償金を税金で賄うって」「暴走がきっかけなのに和解金を支払うのが理解できない」など、事実に基づかない誹謗中傷が今も広がっています。

記事全体を読む