世界105か国の記録を分析した結果
気候変動によって動物の分布が変わること自体は、以前から知られていました。
気温が上昇すれば、それまで寒すぎた地域へ進出できるようになる一方、もともと暮らしていた場所が暑すぎて住めなくなることも考えられます。
チョウは気温の変化に敏感で世代交代も比較的速いため、こうした環境変化をいち早く映し出す生物として注目されてきました。
日本国内での分布北上が顕著なチョウの代表種・ツマグロヒョウモン/ Credit: 東京大学(2026)ところが問題がありました。
これまで分布変化の研究が盛んだったのは欧州や北米などが中心で、チョウの種類が豊富な熱帯地域については十分な情報が集まっていなかったのです。
そこでチームは英語で発表された研究だけに頼らず、15言語の地域文献や、49か国68名のチョウ研究者らの知見まで収集。
そして105か国を対象に、1,758種について6,182件の分布変化をまとめました。
これは世界で知られているチョウ約1万9300種の、およそ10%に相当します。
分析すると、分布変化が記録された1,758種のうち、約80%では水平方向への分布拡大が確認されました。
一方で27%では分布の縮小が、22%では標高方向への移動も記録されていました。
数字を足すと100%を超えますが、これは同じ種で複数の変化が起きているためです。
ある場所では新しい地域へ進出しながら、別の場所では姿を消すといった複雑な変化が起きています。
なお、ここでいう「大移動」とは、無数のチョウが一斉に飛んで引っ越しているという意味ではありません。
長い時間をかけて、種が生息する地理的な範囲そのものが変化しているという意味です。






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