ゲームの「荒らし行為」、その多くは”誤解”と”自警行為”の連鎖である可能性

5 時間前 1

なぜ少数の「荒らし」がゲーム全体に広がるのか

オンラインゲームでは、わざと他人を怒らせたり、プレイを妨害したりする荒らし行為が長年問題になっています。

ところが過去の研究では、自分から繰り返し嫌がらせを始めるプレイヤーは一部にすぎないとされています。

それなのに、なぜ嫌がらせはゲームコミュニティの広い範囲にまで広がってしまうのでしょうか。

研究者らが注目したのは、「荒らしをする人」そのものではなく、他人の行動を見て「これは荒らしだ」と判断する側の心理でした。

オンラインゲームでは、相手がどんな意図で行動したのかを直接知ることはできません。

そのため私たちは、その行動にゲーム上の意味があるのか、誰に対して行ったのか、普段そのコミュニティがどれほど荒れているのかといった周囲の情報から、相手の意図を推測します。

そこで研究チームは、普段からゲームをする米国の成人290人を対象に、チーム制シューティングゲーム『Overwatch』を使った実験を行いました。

参加者は架空の行動規範などを読んだ後、実際のプレイヤー行動を評価するという設定で、研究用に撮影された約3分間のプレイ映像を見ました。

映像では、あるキャラクターが、倒れた別のキャラクターの上でエモートを使って踊ります。

これは相手への嫌がらせにも見えますが、単にゲーム内でふざけているだけとも解釈できる曖昧な行動です。

さらに音声チャットとテキストチャットは使えないため、参加者は周囲の状況からその意図を判断するしかありません。

そこで研究者らは、参加者を異なる条件に割り当て、「踊ると10ポイントを得られるか」「踊られた相手が敵か味方か」「そのコミュニティでは荒らしが多いと説明されるか」という3つの条件を変えました。

その結果、ポイントがもらえない場合、味方の上で踊った場合、そして荒らしが多いコミュニティだと知らされた場合ほど、同じダンスでも「荒らし」と判断されやすくなりました。

さらに、その行動を荒らしだと強く認識した人ほど、相手に嫌がらせをやり返したいという意図も強くなっていました。

では、周囲のわずかな違いは、私たちの判断をどれほど変えていたのでしょうか。

詳しい結果を次に見ていきます。

記事全体を読む