「あんなに長い時間、一体男性はトイレで何をしているの?」
これは、ネット上でよく話題になる疑問だ。特に、夫がトイレに30分近くこもっている間、子どもの世話や家事をしなければならない母親たちの間でよく聞かれる。
離婚コーチのオリビア・ハウエルさんは9月、サブスタックに投稿したエッセーで、この習慣を「Weaponized Pooping(排便の武器化)」と名付けた。
無能の武器化とは、意識的もしくは無意識に、ある仕事や家事が苦手であるかのように振る舞い、他の人に押し付けることを指す。
ハウエルさんは、トイレは「責任逃れができて、家事や育児から逃れるのにうってつけの場所」だとエッセーで指摘。
排便の武器化の重要なポイントは「男性の排便回数が多いということではなく、いなくなることを許されているのは誰かについてのルールが家族の中で作られていること」だとして、次のように主張している。
「正当な理由があるという主張に反論するのはほぼ不可能です。実際にトイレに行く必要はあります。しかしここで見えてくるのは、その事実には何が含まれているかです、スマホを見る、ドアに鍵をかける、20分もの時間を作れる。その間に何が起きても、誰かが対応してくれるという考え方です」
トイレにこもっている間は自分だけになれる。それは母親も欲しいはずの時間だ。しかしハウエルさんは、母親たちはトイレにいる時でさえ、子どもに何かあれば、すぐに出ていけるように備えていると説明する。
中には、トイレに行くとわざわざ宣言したり、子どもたちが入ってくるとわかっていても、ドアを開けたままにしたりする母親もいる。
自身も2人の子どもを育て、2019年に離婚したハウエルさんの場合、元夫は「何のためらいもなくさっさとトイレに入ってドアを閉め、いないも同然の存在になることができた」という。
SNSで賛否両論
「排便の武器化」について、SNS上では意見がわかれている。ハウエルさんによると、Instagramでは多くの忙しい母親たちから共感を得られた一方で、Xでは一部の男性からバッシングが起きた。
批判の中には「女性は、排便すらさせたくないんだ」という声や、「ジェンダー戦争の最後のフロンティアだ」などのジョークもある。
ハウエルさんは、エッセーの論点は「母親たちも父親たちと同様、子どもを見ていてもらうためにわざわざトイレに行くと宣言しなくていいようにしたいだけ」ということを、多くの男性は理解していないのではないかとハフポストUS版の取材に話した。
「母親たちは、トイレに行く時に『完全に一人』になれるとは限りません。責任も一緒についてくるからです」とハウエルさんは説明する。
「誰かが、正確に言えば何かが、そうさせてくれないのです。子どもを見守り、料理し、犬を散歩させ、別の部屋で何かが倒れないか気を配る人間が必要なのです。母親が5分間一人になれる時間が欲しくても、家のことは止まってくれないのです」
ハウエルさんはエッセーで「『ドアを閉めている間、あちら側の世界が自分がいなくても回り続ける』という信頼を両者が持てているかどうかが、家庭内の平等を測る最も小さな尺度なのかもしれません」ともつづっている。
確かにもっともな主張だ。しかしやはり気になるのは、男性たちはトイレに長くこもって一体何をしているかという点だ。
父親である男性たちは、自分が姿を消している間、妻が助けを必要としていることをわかっているのだろうか?4人の男性に聞いてみた。

Alona Siniehina via Getty Images
男性たちはトイレで何をしているのか。「排便の武器化」への本音
フィリピン・マニラ在住の既婚男性(子どもはいない)ミゲルさんにとって、トイレは数少ない、誰にも邪魔されずにスマホを見られる場所の一つだという。
「普段はSNSをチェックしたり、流れてくる動画を見たりしています。妻と一緒にいる時にやると、後ろめたさを感じることがありますから。妻といる時にはきちんと話をして、相手との時間を大切にすべきなので」とミゲルさんは話す。
さらにトイレは「家事を一時的に免れたり、邪魔されたくない時、ちょっと一人になりたい時に便利です」とも本音を語る。
これまでトイレにこもった最長時間は45分間で、最後には足がしびれて、そろそろ出るべきだと感じたと振り返る。
ミゲルさんは「排便の武器化」という考え方を理解してはいるものの、意図的にトイレに長くこもっているわけではないとも反論。「家事の80%は僕がやっていますから」と冗談交じりにコメントした。
ロサンゼルス在住で、恋愛や人間関係についてSNSで発信しているコンテンツクリエーターのアントニオ・ブリーズさんは、ズボンを履いたままトイレに座り、リラックスしたり、メッセージに返信したり、スマホを見たりするという話を聞いたことがあるという。そういった人の中には、途中でシャワーや洗面台の水を流す人もいるそうだ。
ブリーズさんは、「排便の武器化」という言葉を、実際の力関係を反映した興味深い表現だと捉えている
「時には、本当に数分間一人になる必要がある時もあるでしょう。しかし、トイレにこもることが、パートナーとの交流や育児、家事、二人で過ごす大切な時間から逃れるために繰り返し使われているのなら、それは一種の回避行動になりうると思います」とブリーズさんは語った。
北カリフォルニア在住で現在独身、25歳男性のヘイデンさんは、以前交際していた時に長時間トイレにこもることがあったものの、相手は特に気にしていなかったという。
ヘイデンさんは、おそらくパートナーも同じくらい長くトイレに入ることがあったからだと話す。
ヘイデンさんがトイレにこもってやることは、多岐にわたる。
実際に排便しながらReddit(レディット)やDiscord(ディスコード)を見たり、ゲームをしたりする時もあれば、用は足さずに身だしなみや肌を整えたり、スマホを見ながら歯を磨いたりすることもある。時には自慰行為もしているという。
「YouTubeを見るのは好きじゃありません。音が小さすぎて聞こえないか、逆に外にも聞こえてしまうくらい大きくなってしまうからです。AVも同じですが、こちらは音がなくても問題ありません」とヘイデンさんは語った。
そんなヘイデンさんは、「排便の武器化」をめぐる議論は白熱しすぎであり、女性も男性と同じくらいトイレにこもっていると感じている。
また、トイレに長時間いる理由について「家族を育てるストレスや、大人として生きていくストレスを解消するために、男女それぞれがやっていることがあるはずです。ストレスへの対処法なんです」との考えを述べた。
ノースカロライナ州を拠点に活動するコンテンツクリエイターのポール・ガリーさんは2022年、男性がトイレに長時間こもる理由を説明する動画を自身のTikTokで公開。「一度に全部出るわけじゃなくて、何度にもわけて出るんです」との考えを述べた。
ただしガリーさん自身は、排便に長時間かかるわけではなく、家事や育児から逃れる場所としては使っていないという。
「トイレを夫や父親としての責任から逃れる場所だと考えたことはありません。最愛の人たちから隠れる理由などあるのでしょうか?」と話す。
今回の議論でガリーさんが最も重要なポイントと感じているのは、誰かがトイレに10分、30分こもるかどうかではない。お互いが、パートナーは家事や育児の負担を認識し、一緒にやってくれていると感じられるかどうかだという。
とはいえ、ガリーさんは食物繊維の摂取が足りていないかもしれない男性たちのことも擁護。何かを「武器化」しようとしているのではなく、単に排便に苦労している男性も多いと語った。
「まったく面白みのない答えになりますが、本当にトイレを使っているだけの時もあります。座って次の便が出るまで数分かかることもあるんです」

6 時間前
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