深海で見つかった「小さく青いタコ」
このタコが最初に発見されたのは2015年でした。
研究チームはガラパゴス諸島北部にあるダーウィン島近海の海底を、遠隔操作型の無人探査機(ROV)を使って調査していました。
ある時、カメラ映像に奇妙なタコが映り込みます。
彼らは思わず「小さい!青い!」と声を上げました。
発見地点の水深は1773メートル。太陽光がほとんど届かない深海です。(実際の画像はこちら※プレスリリース)
研究チームは吸引装置を使ってこのタコを回収し、その後の調査で新種である可能性が浮上します。
標本はチャールズ・ダーウィン研究所へ送られ、さらにフィールド自然史博物館のタコ研究者ジャネット・ヴォイト氏のもとへ届けられます。
ヴォイト氏は写真を見た時点で、「これは特別なものだ」と感じたといいます。
実際、このタコは普通のタコとはかなり印象が異なっていました。
体はゴルフボールほどしかなく、腕も短めです。
さらに、この仲間では腕の吸盤が基本的に1列に並ぶことも特徴です。私たちがよく想像するタコとは、腕の印象からして少し違っていました。
また、背中側は淡い青白色に見え、腹側や腕の内側は濃い紫色をしています。
皮膚は滑らかで、全体として非常に小さく、丸みを帯びた姿をしていました。
新種である可能性が高いのです。
しかし、大きな問題がありました。
通常、新種のタコを正式に記載するには、体を解剖し、口やくちばし、歯、生殖器官などの細かな構造を調べる必要があります。
ところが今回は唯一の標本でした。
そこで研究チームは、標本を切り開く代わりに「マイクロCTスキャン」を使用します。
これは大量のX線画像を撮影し、それをコンピュータ上で合成することで、内部構造を三次元的に再現する技術です。
研究者たちはこの方法によって、くちばしや歯、唾液腺、卵巣などを傷つけることなく観察することに成功。
結果として、研究チームはこの新種を「Microeledone galapagensis」と命名しました。
そしてこの新種は、「深海の常識」を揺さぶることになります。(次項に実際の動画があります)






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