体温がわずかに下がるだけで、寿命が変わる
ショウジョウバエです。体温が周りの温度で変わる生き物で、体温が下がると寿命が延びるという報告があるもののひとつです。Credit: Alexis / Wikimedia Commons(CC BY 4.0)寒さと寿命の関係は、線虫だけの話ではありません。
体温が周りの温度で変わる生き物では、線虫のほか、ショウジョウバエや何種類かの魚でも報告があります。
いずれも、体温が下がると寿命が延びるという報告です。
体温を一定に保つ動物でも、ネズミの仲間で同じような結果が出ています。
ネズミの仲間では、体温がおよそ0.5℃下がるだけで寿命が延び、同じくらい上がると逆に縮むというのです。
実験に使われるマウスです。 / Credit: Rama / Wikimedia Commons(CC BY-SA 2.0 fr)人でも、体温が低いことと長生きであることの間に関連が見られています。
さらに、人の平均体温は産業革命のころから下がってきました。
電子式の体温計です。 / Credit: Jacek Halicki / Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)この低下が、ここ数十年で寿命が延びたことに関わったのではないか、という見方もあります。
ただし、人で分かっているのはあくまで関連であり、寒さが体を長持ちさせる仕組みは、はっきりとは分かっていませんでした。
「寒いほうが長生き」という現象そのものは100年以上前から知られていましたが、長いあいだ、代謝や体の中の化学反応がゆっくりになるだけの、受け身の結果だと考えられてきました。
ところが線虫の研究から、寒さによる長生きは、体が積極的に調節している現象だと分かってきています。
研究チームは、線虫を使ってこの仕組みを調べました。
線虫を標準の20℃で大人になるまで育て、その後で別の温度の部屋に移して、寿命や体の変化を比べたのです。
これまでの研究で、大人の線虫を少し寒い15℃に移すと、寿命がはっきり延びることが確かめられています。






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