宇宙の「時間」がたった1本しかない理由を新しい理論が説明

7 時間前 2

「三角形にならない3本」が三角形になる場所

画家ジュゼペ・デ・リベーラが描いた絵『ユークリッド』です(J・ポール・ゲティ美術館蔵)。 どの2本を足しても残る1本より長い3本の辺は、紙に描くような平らな面(ユークリッド平面)で三角形になります。画家ジュゼペ・デ・リベーラが描いた絵『ユークリッド』です(J・ポール・ゲティ美術館蔵)。 どの2本を足しても残る1本より長い3本の辺は、紙に描くような平らな面(ユークリッド平面)で三角形になります。Credit: Jusepe de Ribera / Wikimedia Commons(Public domain)

話の出発点は、誰もが学校で習う三角形です。

3本の棒で三角形を作るには、どの2本を足しても、残る1本より長くなければなりません。

この決まりを「三角不等式」と呼びます。

研究チームが例に挙げるのは、約1.73と約2.23という短い2本に、長い1本を組み合わせた3本の辺です。

短い2本を足しても約3.96ですが、長い1本は約4.89もあります。

ふつうに考えれば、これでは三角形は閉じません。

ところが研究チームは論文の冒頭で、「3本の辺はいつでも三角形を作れる」と言い切ります。

三角不等式を満たす3本は、私たちが紙に描く平らな面(ユークリッド平面)に収まります。

満たさない3本は、時間の向きを1本含んだ平面(ミンコフスキー平面)の上でなら、きちんと三角形になるのです。

ヘルマン・ミンコフスキーの肖像です(歴史的な文書の5ページ目の一部)。 時間の向きを1本含んだ平面は、ミンコフスキー平面と呼ばれます。ヘルマン・ミンコフスキーの肖像です(歴史的な文書の5ページ目の一部)。 時間の向きを1本含んだ平面は、ミンコフスキー平面と呼ばれます。Credit: Hermann Minkowski / Wikimedia Commons(Public domain)

この平面では、時間方向のずれが距離を伸ばすのではなく、逆に縮める向きに数えられます。

そのため、ふつうの感覚では「長すぎる」辺を含む3本でも、角をうまく置けば三角形が閉じます。

つまり、三角不等式を満たすかどうかを見れば、その三角形がどんな空間に住んでいるかが分かるのです。

さらに研究チームは、0から1までの長さをでたらめに選んで三角形を作ったとき、ふつうの三角形とミンコフスキー三角形がそれぞれどれくらいの割合でできるかも調べています。

辺の長さをすべて空間方向に限ると、両者はちょうど半々(50%ずつ)になります。

辺に時間方向の長さも混ぜてよいことにすると、ミンコフスキー三角形は87.5%まで増えます。

研究チームの狙いは、この三角形の考え方を、私たちの住む4次元の時空にまで広げることでした。

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