子供の数そのものではなく、「望んだ数」とのズレを調査
「子供がいる人は幸せなのか」という問いは、これまでにもたびたび研究されてきました。
けれど、この問いには見落とされがちな点があります。
それは、同じ「子供がいる」「子供がいない」という状態でも、その意味が人によってまったく違うことです。
例えば、もともと子供を望んでいない人にとって、子供がいないことは不幸ではありません。
むしろ自分の望み通りの状態です。
反対に、強く子供を望んでいた人にとっては、子供を持てないことが大きな苦しみになる場合があります。
つまり、幸福を左右するのは子供の有無や人数そのものではなく、「自分の希望と現実が一致しているかどうか」かもしれないのです。
そこで研究チームは、ドイツの大規模な社会調査データを使ってこの問題を詳しく調べました。
対象になったのは18歳から100歳までの約2万3800人です。
参加者には「もし障害が何もないとしたら、理想的には何人の子供が欲しいですか」と尋ね、実際の子供の数と比べました。
そのうえで参加者を以下の5つのグループに分けています。
- 子供を持たないことを望み、その通りに暮らしている人
- 子供を望んでいるのにいない人
- 理想通りの数の子供を持つ親
- 理想より少ない子供数の親
- 理想より多い子供数の親
さらに研究では、人生全体への満足度だけでなく、家庭生活への満足度、仕事への満足度、日々の感情のバランスまで調べました。
加えて、年齢、性別、収入、仕事の有無、交際・結婚状況、宗教性、地域の保育環境、地域の価値観といった要因も考慮し、単純な比較に終わらないように工夫しています。
その結果、最も目を引いたのは、理想より多く子供を持った親だけが、一貫して低い幸福度を示したことでした。
逆に、子供がいない人や、理想より少ない子供数の親は、全体として見ると、理想通りの親と大きくは変わりませんでした。
ただし、子供を望んでいるのに持てなかった人や、理想より少ない子供数の親では、年齢が高くなるにつれて幸福度が下がる傾向も見つかっています。
では、なぜ「多すぎる」場合だけが目立ってつらくなりやすいのでしょうか。









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