大西洋の重要な海流循環システム、想定よりも崩壊に近い恐れ 新研究

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(CNN) 大西洋を循環する重要な海流システムが弱まっており、これまで考えられていたよりもはるかに崩壊に近い状態にある可能性があると、二つの新たな研究が示している。崩壊すれば、地球の天気と気候に壊滅的な影響を及ぼすことになる。

「大西洋子午面循環(AMOC)」は巨大なベルトコンベアのように機能し、海洋を通じて熱・塩分・淡水を運ぶことで、地球全体の気候や天気、海面水位に影響を与えている。

約1万2000年前に起きたAMOCの崩壊が再び発生すれば、大混乱をもたらすだろう。欧州の冬は極寒となり、米東海岸の海面上昇は加速し、アフリカの広い地域で干ばつが長期化することになる。

今回の二つの研究は、一方がAMOCの将来、もう一方が現状に焦点を当てており、AMOCの衰退に関する憂慮すべき新たな証拠を提示している。

最新の研究は16日に学術誌「サイエンス・アドバンシズ」に掲載された。科学者らは気候モデルと海水温や塩分濃度などの実世界のデータを組み合わせ、今後数十年間のAMOCの変化を予測した。

グリーンランドのディスコ湾。氷の融解は、AMOCをうながす塩分のバランスを阻害している=3月15日/Florent Vergnes/AFP/Getty Images
グリーンランドのディスコ湾。氷の融解は、AMOCをうながす塩分のバランスを阻害している=3月15日/Florent Vergnes/AFP/Getty Images

その結果、ほとんどの気候モデルはAMOCの衰退を過小評価していることが判明した。同研究によれば、AMOCは今世紀末までに50%以上弱まる見通しで、これはすべての気候モデルの平均が推計する値より60%強い「大幅な弱体化」に相当する。

この結果は、AMOCが今世紀半ばにも転換点を超える懸念を高めるものであり、その点を超えればもはや崩壊を「食い止められなくなる」と、ポツダム大学の海洋学者ステファン・ラムシュトルフ氏は指摘する。同氏はこの研究に関わっていない。

この研究に先立ち、先週にはマイアミ大学の科学者らがAMOCの現状を調査した研究が発表された。

同チームは、2004年から北大西洋西岸の4カ所の係留観測点で計測されてきた水温・塩分・海流速度のデータを分析。その結果、過去20年間にわたって四つの異なる緯度でAMOCが弱まっていることが明らかになった。

重要なのは4カ所すべてで弱体化が確認されたことだと、マイアミ大学の海洋物理学者で研究著者のシェーン・エリポ氏は指摘する。分析対象は大西洋の西岸に限られているが、この地域はAMOCに何が起きているかを示す「炭鉱のカナリア」だと同氏は語った。

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