
この記事の要点
- 米シティが外資初、トークン化預金の海外送金を年内に日本で開始
- 1日10億ドル規模の送金網が日本を含む主要市場に拡大
シティ、トークン化預金で日本市場に年内参入
2026年9月9日、米金融大手シティグループが、ブロックチェーンを使った「トークン化預金」による企業向け海外送金サービスを、年内にも日本で開始する方針であることが明らかになりました。
外資系金融機関が日本企業向けにこうしたサービスを提供するのは初めてで、同社サービス部門のグローバル責任者を務めるシャミール・カリク氏が日本経済新聞の取材で明らかにしています。
同紙の報道によると、このサービスでは夜間や休日を含む24時間いつでも外貨を即時に送金できるようになり、銀行の営業日に縛られてきた海外送金の時間的な制約が解消される見通しです。
これまで企業は着金の遅れを見越して支払い前に現地へ資金を送っておく必要がありましたが、トークン化預金を使えば必要なタイミングで送金できるため、こうした前倒し送金が不要になるといいます。
国内初のトークン化投信
日本含む主要5市場へ、シティが送金網を拡大
5拠点間で24時間・1,540億円規模の送金
シティは日本を世界の主要5市場の1つに挙げており、サービス部門グローバル責任者のシャミール・カリク氏は、日本などへの参入によってアジア太平洋の主要拠点を包括的にカバーできるとの見方を示しました。
日本でのサービス開始に先立ち、同社はすでに米国・英国・シンガポール・香港・アイルランドの5拠点でトークン化預金による送金サービスを展開しています。
報道によれば、シティが世界で動かす資金は1日約6兆ドル(約920兆円)に上り、このうちトークン化預金を使った送金だけでも1日約10億ドル(約1,540億円)に達しています。
シティは「シティ・トークン・サービス(Citi Token Services)」を通じてこうした送金を処理しており、許可型ブロックチェーン上で銀行預金をデジタル化する方式を採用しています。
DBS×シティ、SWIFT基盤で週末即時決済に成功
シティは企業向けの海外送金に加え、銀行間の国際決済でもトークン化預金を使った取引を実施しています。
2026年9月5日には、シンガポールのDBS銀行がシティのニューヨーク拠点との間で週末に米ドル建ての国際決済を実行し、取引をわずか数分で完了させました。
従来は最大2営業日を要していたこの決済には、国際銀行間通信協会(SWIFT)のブロックチェーン基盤「Swift Digital Ledger」が使われ、週末でも数分で処理されました。
SWIFTは2026年7月9日に同基盤の初期運用の開始を発表しており、シティやDBS、HSBC、UBSなど6大陸の17行がパイロット取引に参加しています。
SWIFTやTCHと連携、他行との相互接続へ
シティは自社拠点内での送金に加え、将来的には他の銀行との間でもトークン化預金を移転できる仕組みの構築を視野に入れています。
報道によると、同社は銀行間の接続に必要な基盤づくりに向けて、SWIFTや米決済インフラのザ・クリアリング・ハウス(TCH)と連携を進めています。
米国では大手行が2027年前半にも銀行預金をトークン化して相互に移転する共通ネットワークの立ち上げを計画しており、シティもその一角に名を連ねています。
SWIFT台帳で初のトークン化預金取引
国内43社、複数銀行間のトークン化預金を検証
日本国内でも、複数の銀行をまたいでトークン化預金を移転するための実証が行われています。
金融庁の「FinTech実証実験ハブ」の支援を受けたこの取り組みには、横浜銀行やりそなホールディングスなど43社が参加しています。
同実証はDCPやGMOあおぞらネット銀行などが主導しており、2026年8月20日から、異なる銀行にまたがるトークン化預金の送金をオンチェーン上で決済するための検証を開始しました。
シティがトークン化預金による海外送金サービスの日本展開を計画する一方、国内では銀行間決済の実証も進められており、日本では海外送金と銀行間決済の両面で実用化に向けた取り組みが広がっています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=153.34 円)
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Source:日本経済新聞報道
サムネイル:AIによる生成画像
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