古代の騎馬民族「スキタイ人」、支配層は世襲だった DNA解析で判明

2 ヶ月前 16

(CNN) 遊牧騎馬民族の「スキタイ人」は、鉄器時代にユーラシア大陸の草原を闊歩(かっぽ)していた。支配層の地位の高さは、豪華な埋葬に表れている。なかでも有名な「ゴールデン・マン」と呼ばれる若者の墓からは、鉄の武具や青銅の工芸品、銀の器、4000点を超える金の装飾品が発掘された。

このほど新たに、ゴールデン・マンのようなスキタイ人の支配層は、その地位を世襲し、同じ一族の間で権力を共有していたことが分かった。鉄器時代に先立つ青銅器時代まではこの地域になかったような、ある種の社会階層が形成されていた。

研究者らが複数の場所に埋葬されていた数十人のDNAを比較したところ、支配層の間に血縁関係が見つかった。中には遠方に住んでいた集団も含まれていた。そのつながりによって、スキタイ人の歴史上、この時点から不平等が始まった。研究チームがこのほど米科学誌サイエンス・アドバンシスに発表したところによると、スキタイ人の支配層に血のつながりがあったことを示す証拠が見つかったのは初めて。

遺伝学的な分析によって、ゴールデン・マンをめぐる長年のなぞも解明された。この人物は中央アジアのカザフスタンで1969年、「クルガン」と呼ばれる紀元前400~前300年の墳墓から出土した。

1969年にカザフスタンのイシク埋葬地で発掘された、スキタイのエリート青年「ゴールデン・マン」の復元像/Gulmira Mukhtarova
1969年にカザフスタンのイシク埋葬地で発掘された、スキタイのエリート青年「ゴールデン・マン」の復元像/Gulmira Mukhtarova

ゴールデン・マンは男性のような呼び名だが、実際の性別はこれまで確認されていなかった。今回の研究では、ゴールデン・マンのゲノム全体からDNAマーカーを抽出し、データが損傷したり欠けていたりする部分については統計的手法を使って調べた結果、遺伝的に男性だった可能性が高いことが判明。さらにほかのスキタイ人のDNAと比較したところ、南方のサカ族に属していたことがうかがえた。

米ミシガン大学のアリシア・R・ベントレスカミラー准教授はこの研究に参加していないが、「遺伝学と考古学、文献による研究結果を一つにまとめ、血統に基づく地位という解釈を裏づけた」と評価した。

同氏はCNNへのメールで「血統に基づく支配層の体制があったというのは、非常に重要な研究結果だ」「富は代々受け継がれていた」と述べた。

新たな研究では富に加え、社会的地位と権力が受け継がれたことも明らかになった。

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