反体制派の弾圧続くイラン、安置所に多くの遺体袋集まる動画が拡散

3 ヶ月前 8

(CNN) イランの人々は悲痛な叫び声を上げ、混乱の中で泣き叫んだ。彼らが集まったそばには黒い袋に包まれた遺体が横たわる。ここは首都テヘランの南部にあるカフリザク法医学医療センターの仮設遺体安置所だ。施設外の地面にも、複数の遺体の存在が確認できる。

イラン政府によるインターネット遮断をすり抜けて週末にかけ拡散した動画には、先週展開した悲惨な光景が映し出されていた。人々は、倉庫のような部屋や法医学センターの外の地面に横たわる数十体の遺体の中から、愛する人の身元を確認しようとしていた。遺体はイランによる反体制派への強硬な弾圧の犠牲者たちだ。経済状況の悪化をきっかけに大規模な反政府デモが国中を覆い、イラン政権はここ数年で最大の難局に直面している。

CNNが入手した動画には、亡くなった人々の写真を映し出すモニターの前に人が群がり、身元確認に奔走する様子が映っている。画面に映った情報と、イランの人権活動家が設立した米国拠点の通信社HRANAが受け取った画像によると、施設にはおよそ250体の遺体があると推定される。

法医学施設から撮影された別の映像は、建物の外の通路に黒い遺体袋が並べられ、人々が集まる様子を捉えている。一部の遺体は施設の中庭と思われる場所に散在している。その他、舗装されていない地面に横たわる遺体もある。集まった家族は愛する人の遺体を必死に探している。

活動家団体「マムレカテ」は10日、法医学施設に運ばれた遺体の数があまりにも多く、中庭に並べられていると述べていた。

9日に撮影された別の映像では、法医学施設近くの倉庫の内部が映っている。仮設の遺体安置所と化したその部屋には、黒い袋に入れられた遺体が床や金属製のテーブルの上に並べられている。

イラン国営メディアは、医療施設の悲惨な状況を認めつつも、目撃された遺体のほとんどは「一般人」、つまりその場に居合わせて抗議活動に巻き込まれた人々のものだと主張した。国営メディアは、彼らの死は「暴徒」のせいだと報じた。

政府の反論

イラン政府系のタスニム通信とイラン学生通信は、法医学センター付近の様子を映した動画を投稿した。国営メディアの記者は、同センターを訪れ、遺族と話をしたと述べている。動画には、悲しみに暮れる遺族との会話が映っており、遺族は「自分たちは抗議活動の参加者ではなく、参加するつもりもなかった」と語っている。

黒い袋に入った遺体の横で床に座り、涙を流しながら国営メディアの記者の取材に答える男性は、愛する人が頭に投石を受けたと説明。石はビルの屋上から何者かが投げつけたものだと主張した。男性によれば、愛する人は親政府派だったという。

国営メディアの記者はその後カメラの方を向き、犠牲者の中には抗議活動の参加者も含まれていると述べた。これらの参加者は治安部隊との「衝突を狙っていた」か、あるいは「(軍事)基地などを占拠しようとして武器を使用した可能性がある」という。

「しかし、犠牲者の大半は普通の人々だった。(彼らの)家族も普通の家族だった」と、この記者は語っている。

こうした報道は、イラン政府による組織的な取り組みを反映するものだ。政府は国内の暴力行為の責任を抗議活動者に押し付け、他の人々にデモへの参加を戒めようとする。イランでは治安部隊による暴力的な弾圧の歴史があり、ここ数日で国内から次々と情報が寄せられていることから、人権団体は政府によるいかなる反論よりも証拠の方が重要だと述べている。

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチで中東・北アフリカを担当する局の副局長を務めるマイケル・ペイジ氏は、抗議活動と無関係の人々の死傷はイラン当局の責任だと述べた。

テヘランでの抗議デモに集まった人々=8日撮影/Getty Images via CNN Newsource
テヘランでの抗議デモに集まった人々=8日撮影/Getty Images via CNN Newsource

イラン政府は、国内全土で行われている抗議活動において、「暴徒やテロリスト」、そして外国の支援を受けた「傭兵(ようへい)」に加わらないよう国民に警告している。ペゼシュキアン大統領は11日、平和的な抗議活動を行う人々と「社会全体を混乱させる」ことを企てる「暴徒」を区別。イランの検事総長は後者に対して、死刑を含む容赦ない法的措置を取ると明言した。

しかし、イラン当局は抗議者と「暴徒」を真に区別したことはないとペイジ氏は主張。「彼らはあらゆる種類の大規模抗議を自らの統治に対する脅威とみなし、その見解に従って武力を行使してきた」と指摘した。

イラン政府は治安部隊の行動を擁護している。モメニ内相は10日、国営テレビに対し、「一定程度」において治安要員は「最大限の自制」を行使しながら、市民に危害が及ぶ事態を回避していると説明した。

しかし、目撃証言や人権団体が描く状況はそれと異なる。現場の人々はCNNに対し、イラン治安部隊が抗議活動に対し暴力で対応していると語っている。テヘランで事態を目撃した2人の人物は、9日夜、軍用ライフルを振りかざした治安部隊が「多くの人々」を殺害したと述べた。同日、首都で行われた抗議活動に参加したイラン人ソーシャルワーカーは、当局が抗議活動参加者に発砲し、少女の首にテーザー銃を撃ち込み意識を失わせたのを目撃したと証言した。

HRANAによると、12月下旬に抗議活動が始まって以来、未成年者9人を含む500人以上の抗議参加者が死亡し、1万人以上が逮捕されている。しかし、政府によるインターネット遮断とイランからの情報発信の遅さを考えると、犠牲者の全容は依然として不明のままだ。

イラン国営メディアは治安部隊の隊員100人以上が死亡したと伝える。CNNはこれらの数字を独自に確認できていない。

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