(CNN) 米国のガソリン価格は4ドルを上回り、戦闘終結に向けた交渉は暗礁に乗り上げ、航空会社はジェット燃料不足を警告している。そうした中で、株価が大幅高を記録しているのはなんとも奇妙に思える。
これはCNNのせいだ。いや、本当に。奇妙だと感じるのは、世界の出来事のせいでも市場の動きのせいでもなく、この二つの事象が連動しているという認識のせいだ。
CNNをはじめとするメディアは、現在起きている出来事と株式市場のパフォーマンスを常に結びつけてきた。ニュースの生放送中、画面下部には小さく「ダウ」が表示されている。
だから私たちは株式市場を鏡のように見なしがちだ。しかし市場は鏡なのではなく、予測エンジンだ。
株価の変動は、力強い業績、経営者の健康状態、競合のより優れた製品開発、人工知能(AI)がもたらす事業全体への脅威といった膨大な情報が特定企業の株式の認知価値と長期的な収益見通しをどう変えるかを示す指標だ。
ウォール街は、大きなニュースの影響が株価に適切に織り込まれたと判断すれば、次の材料へと移行する。通常、一般市民よりもすばやく。
「株式市場はまるで別の宇宙で動いているように感じることが多い」と、決済企業コンベラの市場ストラテジスト、ケビン・フォード氏は語る。「別の宇宙というより、別の時間軸といったところか」
これまでにも見られた動き
市場は以前も別の時間軸で動いてきた。
・2009年3月、数カ月にわたる深刻な景気後退が続く中、株価は反騰し始めた。
・パンデミック(世界的大流行)によって世界経済が史上最悪の不況に見舞われ、回復まで何年もかかったにもかかわらず、市場はわずか1カ月後に急反発した。
・トランプ米大統領が昨年8月に歴史的な関税を課した後も市場は上昇を続けた。
しかし、ニュースの見出しは依然として重要だ。市場は完璧な状態を織り込んでいると言われるように、投資家は将来の期待利益を株価に反映させている。戦争の激化や緩和といった新たな情報は、その利益をめぐる不確実性を高め、トレーダーに見通しの修正を迫る。
だからこそ、イランとの戦争は2月下旬に株式市場を揺るがした。ハイテク株が多くを占めるナスダックはインフレにとりわけ敏感なため、戦争のニュースを特に重く受け止め、調整局面に入った。ダウ工業株平均もそれに続き、S&P500指数もそれに迫った。
だが3月末になって市場の戦争に対する見方は変わった。トランプ氏と政権が戦争終結の機会を模索し始めたのだ。
攻撃が止み、市場は前進。S&P500はその日、約3%上昇し、その後も勢いを保ち続けた。株価はこれ以降、さらに10%上昇している。
経済状況は変わっていない。というよりむしろ悪化している。ホルムズ海峡は閉鎖されたまま世界の石油や重要物資の5分の1が滞留し、将来の供給不足や価格急騰のリスクは高まっている。
市場はすべて承知している。投資家はただ、そのリスクが株価に適切に織り込まれていると判断しているのだ。
「市場がリスクを無視するとは思わない。市場は世界経済と企業収益がそれを吸収できると判断しているというのが私の見立てだ」。デビア・グループのナイジェル・グリーン最高経営責任者(CEO)はそう語る。「市場は確実性を待たない。最悪のシナリオが遠のき始めた瞬間に動くのだ」

2 時間前
1








English (US) ·
Japanese (JP) ·