
2026年6月30日火曜日、ワシントンD.C.の連邦議会議事堂前で、トランスジェンダーの少女や女性が学校の運動部でプレーできるかどうかに関する最高裁の判決を前に、人々が祈りを捧げている。(AP通信/ホセ・ルイス・マガナ)
By Valerie Richardson – The Washington Times – Wednesday, July 1, 2026
連邦最高裁は、女子スポーツへのトランスジェンダー選手参加を巡る「タイトル9(教育改正法第9編)」訴訟に事実上の決着を付けたかもしれない。しかし、それでも生物学的男性が高校女子のバレーボール、サッカー、バスケットボールのチームに加わるケースは今後も続く可能性がある。
最高裁は、州が学校スポーツを男女別に分けることは、タイトル9や合衆国憲法修正第14条の平等保護条項に違反しないと判断した。ただし、男女別にしなければならないと義務付けたわけではない。
そのため、性自認に基づいて生物学的男性の女子競技参加を認めている民主党主導の23州は、現在の法律や方針を維持することが可能であり、女子スポーツを巡る論争は終わっていない。
保守系団体「独立した女性の法律センター」のメイ・メールマン所長は「まだすべきことは多い」と指摘する。
「今回の判決は女子スポーツが合法だと認めただけで、女性がそれを享受する権利まで保障したわけではない」
一方で、最高裁はタイトル9を巡る法解釈については明確な判断を示した。1972年制定のこの公民権法について、「『性別』という用語は、生物学的性別以外を指すとは合理的に解釈できない」と述べ、教育現場での性差別禁止には性自認も含まれるとするリベラル派の主張を退けた。
判決は「1970年代初頭の制定当時、『性別』の通常の意味は生物学的性別であり、特にスポーツの文脈では性自認を意味するものではなかった」としている。
女子スポーツ擁護活動家のライリー・ゲインズ氏は「『性別』とは常に生物学的性別を意味していた。それが今回確認されたことは朗報だ」と歓迎した。
その一方で、「タイトル9の解釈は最高裁によって最終的に明確になり、各州は女子スポーツを保護する法律を制定できるようになった。しかし、それを義務付けたわけではない。残念ながら、この判決は全ての州に直接適用されるものではなく、メディアで伝えられているほど決定的ではない。戦いは続く」と述べた。
保守派は、今回の判断が民主党寄りの州に政策見直しを促す契機になることを期待している。しかし、これらの州の司法長官らは判決後も従来の性自認保護政策を維持する姿勢を崩していない。
メーン州のアーロン・フレー司法長官は「個人の自由に対する新たな憂慮すべき侵害だ」と批判し、同州ではトランスジェンダー生徒の女子競技参加を禁止する考えはないと表明した。
フレー氏は「最高裁自身が、この判決は州がトランスジェンダー選手の参加を認めるかどうかの判断に影響しないと明言している。したがって司法省がメーン州を相手取って起こしている訴訟にも影響しない。州法を引き続き守る」と強調した。
マサチューセッツ州のアンドレア・ジョイ・キャンベル司法長官も「トランスジェンダーの子供たちを一律に排除する政策は、弱い立場の生徒を傷つけ、社会から疎外するものだ」と主張した。
キャンベル氏は声明で「マサチューセッツ州法は今後もトランスジェンダーの生徒を保護し、性自認に基づいて競技する学生アスリートも保護の対象となる」と述べた。
ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官は、今回の判決は「事実や科学、そして人としての良識を無視し、全米の若いトランスジェンダーを見捨てるものだ」と批判した。
ジェームズ氏は「私は今後もニューヨーク州のトランスジェンダー住民を差別的政策から守るために闘い続ける」と表明した。
大学スポーツでは、全米大学体育協会(NCAA)や全米大学対抗体育協会(NAIA)の2大競技団体が、生物学的男性の女子競技参加を事実上禁止している。複数の競技団体や国際オリンピック委員会(IOC)も同様の方針を採用している。
一方で、短期大学や高校では、性自認に基づく差別を禁じる民主党州の法律を背景に、トランスジェンダー選手の参加は増加している。
カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事ら民主党指導者は、トランプ大統領の大統領令「女子スポーツから男性を排除する」に従わない姿勢を示しており、連邦法による統一的な対応を求める声も上がっている。
ゲインズ氏は「ニューサム氏のような民主党州の指導者は、依然として『トランプ錯乱症候群(TDS)』という病から抜け出せず、連邦法に逆らい続けるだろう。しかし、そうした州の女子選手にも公平な競技環境は必要だ。だからこそ議会が行動し、連邦法を整備しなければならない」と訴えた。
J・B・マカスキー司法長官(共和党、ウェストバージニア州)は、タイトル9を巡る最高裁の全員一致(9対0)の判断は、連邦議会が法整備を進める後押しになるとの見方を示した。
マカスキー氏は記者会見で「われわれが取り組んできたことを誇りに思う。そして議会が今回の判決を読み、『全国共通の政策をつくる時だ』と判断してくれることを強く期待している。これは極めて常識的な問題だ」と語った。

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