ロシアによるキーウ大規模攻撃、死者27人に 住居ビルから逃げ惑う市民

2 ヶ月前 25

キーウ(CNN) 2日未明、ウクライナの首都キーウの自宅アパートが爆発で揺れ、イリーナ・モスカエバさん(61)と子どもたちはベッドから飛び起きて走り出した。このアパートはロシアの大規模攻撃で被害を受けた数多くの住居ビルの一つで、キーウ全域では少なくとも27人が死亡した。

ただ、逃げ場はどこにもなかった。モスカエバさんはCNNの取材に「部屋の窓はすべて粉々になり、ドアはびくともしなかった。開けられなかった」と振り返る。

最終的に、モスカエバさんは消防隊員によって救助された。ロシアの攻撃で自宅が損傷するのは2度目。「初めてこうした攻撃を受けた時は、涙がこぼれた。体がひどく震えていた」と語る。現状では自宅に入ることができず、親戚の家に身を寄せる予定だが、心配なのは月曜の出勤だ。「どうやって職場に行けばいいのか。 電気もないし、着替える服もない。何もない」

ウクライナ空軍によると、ロシアはドローン(無人機)500機近くとミサイル70発以上をウクライナに向けて発射する「大規模な複合攻撃」を行い、異なる方向から同時にキーウを狙った。ミサイルやドローンの大半は迎撃されたものの、計33発が着弾した。

ウクライナ当局は攻撃による被害に対応するため、市内全域の59カ所に緊急対応チームを派遣したことを明らかにした。

ロシア軍は今回の攻撃について、ウクライナによる民間インフラ攻撃への報復と形容している。

イリーナ・モスカエバさんはCNNの取材に、攻撃で自宅が損傷したと証言した/CNN
イリーナ・モスカエバさんはCNNの取材に、攻撃で自宅が損傷したと証言した/CNN

キーウの軍事行⁠政責任者ティムール・トカチェンコ氏によると、ウクライナ時間2日夜の時点で27人の死亡が確認され、少なくとも91人が負傷した。その後も捜索救助活動が続けられ、さらに多くの人が瓦礫(がれき)の下に埋もれている恐れがある。

ウクライナのゼレンスキー大統領によると、一連の攻撃で市内各地の数十カ所が損傷した。「大半は一般の住居ビル」で、他にも救急車の拠点や研究所、ホテルなどの施設が被害を受けたという。

ゼレンスキー氏は2日にモスカエバさんの損傷した住居ビルを視察した際、ロシアの攻撃でこのビルの64戸が破壊され、少なくとも3人が死亡したと説明した。

ゼレンスキー氏は2日の演説で「今回の攻撃は最大限の被害を与えるべくロシアが明確に仕組んだものだ」と説明。「残念ながら、対弾道ミサイルシステムや『パトリオット』ミサイルが不足している。この点で、米国や欧州をはじめとするパートナー諸国から一段と積極的に支援を提供してもらう必要がある」と訴えた。

キーウの地下鉄によると、子ども4500人を含む市民およそ5万2500人が地下鉄の駅に避難して一夜を明かした。

クリチコ市長は「キーウにとって恐ろしい夜だった」と語った。

クリチコ氏によると、「最も甚大な被害」を受けたのはキーウ南東部のダルニツキー地区にある住宅ビル。その一部は「文字通り吹き飛ばされた」という。救助隊が瓦礫の下に埋もれた人の捜索を続けており、その中には15歳の少女とその家族も含まれていると言い添えた。

ロシア国防省の発表では、ロシア軍はウクライナによる「ロシア領内の民間インフラ攻撃」への対抗措置として、「高精度の長距離兵器を用いた大規模攻撃」を実施した。

ウクライナ首都キーウへのミサイル攻撃で損傷した住宅の様子=2026年7月2日/Genya Savilov/AFP/Getty Images
ウクライナ首都キーウへのミサイル攻撃で損傷した住宅の様子=2026年7月2日/Genya Savilov/AFP/Getty Images

ウクライナはここ1カ月、ロシアに対して前例のないドローン攻撃を仕掛け、エネルギーインフラを狙った長距離攻撃を行ってきた。これについてゼレンスキー氏は、ロシア政府に戦争終結を迫るための重要戦略と位置付けている。

ウクライナ軍は2日夜、モスクワから東に数百キロ離れたクストボにあるロシア最大級の精油所を攻撃したと発表。ロシアが軍事活動に利用しているとされるドネツ川に架かる鉄道橋や、ハルキウにあるロシア軍の指揮観測所も攻撃したと述べた。

ロシア国防省は、ウクライナから発射されたドローン327機を迎撃、破壊したとしている。

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