ロンドン(CNN) ロシアの製油所に対するウクライナのドローン(無人機)攻撃により、燃料不足が広がっていることを受け、ロシアは8日、ディーゼル燃料の輸出を全面的に禁止した。世界のエネルギー市場ではホルムズ海峡でのさらなる混乱への警戒が強まっている中での発表だった。
ロシアのノバク副首相は、プーチン大統領も出席しテレビ中継された会議で禁輸措置を発表。この決定の目的は「国内市場への供給を増やす」ことにあると述べた。
ロシアはすでに、燃料取引業者など生産業者以外による海外へのディーゼル燃料販売を禁止する部分的な禁輸措置を導入していた。エナジー・アスペクツの石油製品担当上級アナリスト、ナタリア・ロサダ氏はCNNに対し、今回発表された措置はこの制限を生産業者にも拡大し、市場全体を対象とするものだと説明した。
ノバク氏は今週、ロシア市場にはディーゼル燃料とガソリンのいずれも「十分に供給されている」と主張していた。
一方でCNNが今週報じた分析によると、ロシアの83地域のほぼすべてで、ガソリン不足や供給の混乱が発生または報告されている。
今回の輸出禁止措置は、世界のエネルギー市場にとって厳しいタイミングで発表された。米国とイランの停戦は崩壊寸前とみられ、戦争前には世界の石油の5分の1が通過していたホルムズ海峡がまた閉鎖同然になるとの懸念が高まっている。
米国は再びイラン産原油の販売に対して制裁を科しており、世界市場が供給全体を増やせる見込みは薄くなっている。
データ分析企業ケプラーの上級リサーチアナリスト、ダビン・トニャン氏は9日、この禁輸措置は、米国とイランの戦闘再燃と相まって、ディーゼル燃料価格の上昇に「新たなはずみをつける」と記した。
トニャン氏は、ウクライナの攻撃でロシアのディーゼル燃料輸出はすでに抑えられていたと指摘する一方で、「輸出による収入を手放す代償」を考えれば、禁輸措置は短期間にとどまるとの見方を示した。
ケプラーによると、ロシアのディーゼル燃料輸出は米国に次いで世界第2位。最大の輸入先はトルコとブラジルだ。
ロサダ氏は、ロシアからの輸入が減れば、これらの国が米国産や中東、インド産の供給を欧州と取り合うことになると述べた。
インターコンチネンタル取引所のデータによると、世界の指標となるディーゼル燃料価格は8日に約13%急騰したが、米東部時間9日早朝には3%超戻した。

2 ヶ月前
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