パレスチナ人住宅をイスラエル人入植者が包囲、水も電気も止めて追い出し狙う

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ヨルダン川西岸クスラ(CNN) 自分が生まれ育った場所に家を建て始めたのは、2人の娘にせがまれたことがきっかけだった。米オハイオ州在住のルイ・リディさんの出身地は、イスラエルが占領するパレスチナ自治区ヨルダン川西岸の町クスラ。

娘は2人とも米国育ちだが、「おばあちゃんが住んでいて、お父さんが生まれ育った場所に家を持つことはできる?」とリディさんに尋ねたという。

しかし今、その夢が揺らいでいる。イスラエル人入植者の集団がパレスチナ人住民を追い出す狙いで、丘の上にあるリディさんの家など住宅3棟を包囲した。

入植者らはテントを張って水道や電気の供給を断ち、道路を封鎖して、誰も住民に近付けないようにした。

家の中にはリディさんの兄弟のクサイさんとその息子が閉じ込められた。食料はあと2、3日で底を突く。

「奴らはこの家とこの丘に目を付けた。奪うつもりだ」とクサイさんは言う。「我々は屈しない。絶対にここを離れない。たとえこの家で塩水を飲むことになっても、パンが一切れもなくなっても」

米国から防犯カメラでこの様子を見たリディさんは恐怖に駆られ、この地区の警備を担うイスラエル当局に連絡を取った。

信じられないことに、到着したのはイスラエル軍の兵士だった。入植者と温かい挨拶(あいさつ)を交わすと、一緒に祈りに加わった。

イスラエル兵と国境警察は12日、丘の上に到達すると、入植者のテントを撤去して、入植者をその場から排除しようとした。

しかし、さらに数十人の入植者が現れて、岩を動かして道路をふさいだり、治安部隊に投石したりするなどして抵抗。治安部隊は音響手榴弾を使用し、入植者に催涙スプレーを噴射した後、その場から撤収した。

CNN取材班は数時間後に現場に到着。リディさんの家を目指して車で丘を上っていたところ、イスラエル兵2人に阻止された。周りを数人の入植者が取り囲んでいた。

「ここは軍の立ち入り禁止区域だ」と兵士の1人が言い、「あなた方は軍の活動を妨害している」と告げた。

その命令は入植者にも当てはまる。だがこれまでのところ、パレスチナ人とイスラエルの人権団体、および丘に到達しようとしたジャーナリストに対してのみ執行されている。

クサイさんは入植者について、「ケダモノみたいな奴らだ。そう簡単には出ていかないだろう」と話す。

イスラエル軍は13日午前、さらに強硬な作戦を開始。「住民を守り、同地の治安を維持するため」として、歩兵大隊を投入した。

しかし軍がまず行ったのは、クサイさんを含むパレスチナ人数十人を自宅から追い出すことだった。兵士らは、入植者に対する作戦を展開するための拠点として一時的に使用する必要があると説明した。クサイさんは近隣の住宅に身を寄せている。

「結局は、入植者を私の家に入らせることを狙った兵士の策略でないことを願う」とクサイさんはCNNに語った。

数時間後、このニュースが広まると、軍は姿勢を転換。「クスラの住民を自宅にとどまらせるよう、兵士に指示している」とした。

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