ステーブルコイン決済「50%超がアジア」現地通貨建てはわずか0.09%

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この記事の要点

  • CoinDesk調査:SC決済額の50%超がアジアに集中
  • 送金額41%増加、トークン化資産も386億ドルに拡大

まずはステーブルコインを詳しく

ステーブルコイン決済額「50%超」がアジア

米CoinDesk Research(コインデスク・リサーチ)は2026年10月30日、ステーブルコインとRWA(現実資産)トークン化の世界的な動向をまとめた調査レポートを公表しました。

同調査では、2026年1〜10月に把握されたステーブルコイン決済送金額のうち、アジア太平洋域内の取引が557億ドル(約8兆7,340億円)に達し、世界全体の50.8%を占めたことが明らかになっています。

こうしたアジアの決済市場を支えるのは主に米ドル建てステーブルコインで、現地通貨建てトークンの供給は世界全体のわずか0.09%にとどまると同社は指摘しました。

地域別の決済動向に加え、世界全体ではステーブルコインの供給がほぼ横ばいで推移する一方、月間送金額は1月から9月にかけて41.4%増加しており、新規発行よりも既存残高の利用拡大が市場を牽引したと分析しています。

ステーブルコイン送金額・RWAともに大幅増を記録

月間送金額が3250億ドルに拡大

調査によると、ステーブルコインの時価総額は2026年1〜9月を通じて2,980億ドル〜3,160億ドルの範囲で推移し、9月末時点では前年末比1.0%増の3,060億ドル(約47兆9,810億円)にとどまったとしています。

供給がほぼ横ばいだった一方、月間調整済み送金額は1月の2,300億ドルから9月の3,250億ドルへ増加し、時価総額に対する送金額の比率も0.77倍から1.06倍に上昇したと報告されています。

この期間の累計取引高は前年同期比48.6%増の2兆3,300億ドルに達しており、用途別ではブロックチェーン間や取引所間の資金移動を含む「インフラストラクチャ」が7,510億ドルで最大となりました。

商品やサービスの支払いに使われた月間決済額も1月の332億ドルから9月の541億ドルへ増加したものの、取引全体に占める決済用途の割合は依然として小さいと調査は指摘しています。

ドル建てステーブルコインが供給の99.5%

ステーブルコインの供給では米ドル建てトークンが全体の99.5%を占め、テザー(USDT)とUSDコイン(USDC)の2銘柄だけで市場全体の84.6%に達すると調査は指摘しています。

USD1・USDG・PYUSD・RLUSDといった新興ステーブルコインの合計シェアは4.1%にとどまっており、主要銘柄への供給集中が続くなか、アジア太平洋地域でもドル建てトークンが決済の中心となっていると報告されています。

そのアジア太平洋域内では、2026年1〜10月のステーブルコイン決済が2,730万件に達し、世界全体の5,160万件の52.9%を占めました。

決済額でも557億ドルとEMEA(欧州・中東・アフリカ)域内の261億ドルの2倍超、米州域内の90億ドルの6倍超に達した一方、平均送金額は地域間でおおむね1,810〜3,040ドルと近く、アジアの優位性は取引頻度と域内流動性に支えられていると分析しています。

トークン化RWAが386億ドルに到達

ステーブルコインとは別に、同調査が対象としたトークン化RWA市場でも残高が増加しており、2023年1月の10億ドルから2026年9月には386億ドル(約6兆520億円)に達し、前年末比51.3%の成長を記録しました。

資産クラス別では米国債が年初来62%増の147億ドルで最大となり、コモディティも41%増の51億ドルに達するなど、従来型の金融資産が市場の成長を牽引しています。

伸び率では株式が371%増の32億ドル、ベンチャーキャピタルが277%増の10億ドル、プライベートエクイティも214%増の13億ドルとなり、国債以外の資産にもトークン化の対象が拡大しました。

ただし、9月には政府債務分野の縮小を主因としてRWA市場全体で4億1,700万ドルの月間純減が初めて発生したと調査は指摘しています。

香港・日本で現地通貨SC利用が本格化

アジアでは現地通貨建てステーブルコインの供給にも変化が見られ、CoinDesk Researchの調査では、同地域で発行されたトークンの残高が2026年初めの4,850万ドルから9月末には2億6,100万ドルへ増加したと報告されています。

香港では、香港金融管理局(HKMA)が2026年4月にステーブルコイン発行ライセンスを2社に付与した後、同年10月にはHSBCが香港ドル建てステーブルコイン「RedCoin」の提供を開始し、現地通貨建てトークンが実際の決済サービスに組み込まれました。

日本でも、株式会社日本免税が2026年10月29日、訪日外国人旅行者への免税還付金を円建てステーブルコイン「JPYC」で支払う新サービスを11月1日から開始する方針を発表しました。

現地通貨建てトークンの利用が具体化する一方、アジア太平洋地域では供給規模と決済実績の両面で米ドル建てが優勢を維持しており、現地通貨建てステーブルコインの普及はなお限定的となっています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.52 円)

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Source:CoinDesk Research調査レポート
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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