オスのタコには「メスを感知するための腕」があった

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見えなくても交尾できる?タコの不思議な行動

タコのオスは、8本ある腕のうち1本を「交接腕(こうせつわん)」として使います。

この腕は、精子を包んだ精包をメスの体内へ送り込むための、生殖に特化した器官です。

しかし今回の研究では、この交接腕が単なる「受け渡し装置」ではないことが明らかになりました。

研究チームは、カリフォルニア・ツースポットタコ(Octopus bimaculoides)を対象に、オスとメスを黒い仕切りで隔てた水槽に入れる実験を実施。

仕切りには、腕だけが通る小さな穴が開けられています。

するとオスは、相手の姿が見えないにもかかわらず、その穴から腕を伸ばし、メスを探し当てて交接腕を外套腔(がいとうくう、内臓を収めた空間)に挿入し、交尾を始めたのです。

実際の映像がこちら。

画像オス(右)が交接腕をメス(左)に伸ばす映像/ Credit: Pablo Villar, Harvard University

さらにこの行動は、完全な暗闇でも同様に観察されました。

一方で、オス同士の組み合わせでは、このような行動は起こりませんでした。

これらの結果は、タコが視覚ではなく、別の手がかりを使って相手を識別していることを示しています。

チームは、この仕組みを「触って味わうような感覚」と表現しています。

つまりオスのタコは、腕を使って相手を“触覚的に味わい”、交尾相手かどうかを判断しているのです。

このような能力は、単独生活を送るタコにとって非常に合理的です。

偶然出会った相手を、短時間で確実に見極める必要があるからです。

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