ペンギンのコロニーでは「餌場の情報が共有されているのか」
ある動物たちは、繁殖期になるとたくさんの仲間が集まるコロニーを作ります。
しかし、集団で暮らすことには不利な面もあります。
餌をめぐる競争は激しくなり、病気も広がりやすくなるからです。
それでもコロニーが作られてきた理由の一つとして、「仲間から餌場の情報を得られるのではないか」という仮説がありました。
ただし、野生動物でこれを確かめるのは簡単ではありません。
同じ方向へ向かった個体がいたとしても、それが「仲間の情報を利用した」結果なのか、単に似た場所を好んだだけなのかを区別しにくいからです。
そこで研究チームは、南極リュツォ・ホルム湾の鳥の巣湾にあるアデリーペンギンの小さなコロニーを調査しました。
このコロニーでは多くのペンギンが繁殖しており、研究チームはそのかなりの割合の個体にGPSを取り付けて行動を追跡しました。
さらに一部の個体では潜水の深さも記録し、海へ餌を探しに出かける行動を詳しく調べています。
育雛期(親が雛に餌を与えて育てる時期)のアデリーペンギンは、親が交代で巣を離れ、およそ1日かけて餌を採り、戻ってきて雛に餌を与えます。
そのため研究チームは、それぞれの個体について「前回どこへ行ったか」「今回どこへ行ったか」「誰と一緒に出発したか」に加え、潜水深度の記録から「前回の採餌がどの程度うまくいっていたか」を推定して比べることができました。
そして解析ではまず、自分が前回使った場所の情報が、次の餌場選びを説明する重要な手がかりになっていることが示されました。
つまり、アデリーペンギンは基本的に、まず自分自身の経験をもとに餌場を選んでいたのです。
一方で、一部の採餌行動では、同じタイミングで出発した仲間の過去の餌場情報を取り入れた方が、今回の行き先をよく説明できました。
より詳細な点を次項で確認しましょう。






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