
この記事の要点
- ETH財団、初の統一評価でヘゴタ必須EIP2件を公表
- 検閲耐性・耐量子化の2提案が次期改修の開発方針を決定
まずはイーサリアム(ETH)を詳しく
ETH財団、ヘゴタ必須EIP2件を公表
仮想通貨イーサリアムの開発を担うイーサリアム財団のプロトコル部門は2026年9月7日、次期アップグレード「Hegotá(ヘゴタ)」への採用候補となる62件のEIP(イーサリアム改善提案)を評価したティアリストを公式ブログで公表しました。
この評価では、EIP-7805とEIP-8141の2件が最上位のSティアに選ばれ、ヘゴタの内容を定める「必須実装」の提案として位置づけられています。
このうち合意層のEIP-7805は、中央集権的なブロックビルダーに依存せず対象取引をブロックに取り込む経路を設ける仕組みで、検閲耐性に関する優先課題に対応する提案となっています。
一方、実行層のEIP-8141は新たな取引形式「フレームトランザクション」を導入し、量子コンピューターに耐える署名方式へ移行するための基盤として、2029年12月までの耐量子化目標に向けた取り組みに位置づけられています。
今回のティアリストは、約60人が参加するプロトコル部門がチーム別ではなく初めて統一した見解としてまとめたもので、ヘゴタに向けたEIPの優先順位を示すものとなっています。
「ヘゴタ」検閲耐性を最優先に
ヘゴタ対象EIPを6段階のティアリストに
採点方式と6段階のティア定義
同部門によると、ヘゴタのティアリスト作成には9つの開発チームと複数の分野別専門家が参加し、提出された16の貢献テンプレートのうち12件でEIPの評価が行われました。
62件のEIPに付けられた評点は合計397に上り、1件あたりの平均は6.4評点で、最も多く評価された提案には9つの評点が寄せられています。
ただし最終的なティアは評点の単純平均ではなく、複数回の会合と約90分のワーキングセッションで意見が分かれた提案を個別に議論したうえで決定されました。
同部門は、各EIPを可能な限り最善の解釈で評価する「スティールマン」の考え方を採用したと説明しており、参加チームごとの個別評点は非公開としています。
そのうえで各EIPをS・A・B・C・DFI・TBDの6段階に分類し、ヘゴタへの実装方針を下のように定めています。
| S | 4点 | 必ず実装 フォークの内容を定義し、実装が危ぶまれる場合は範囲ではなくスケジュールの側を調整する |
| A | 3点 | 実装を予定 SとAのdevnetが安定するまで下位の採否は保留され、削減はSに手を付ける前には行わない |
| B | 2点 | 当落線上の候補 一括採用はせず、SとAのdevnetが安定してから一件ずつ検討する |
| C | 1点 | 現時点では対象外 失格ではなく、上位が順調なら再検討の最初の候補となる |
| DFI | 0点 | 構造的な理由で不採用 後方互換性の破壊やセキュリティ上の懸念など、除外の根拠が個別に示される |
| TBD | — | メインネットのデータが得られるまで意図的に順位を付けず、判断を保留する |
FOCIL、全員一致でSティアの看板提案に
同部門によれば、Sティアに選ばれたEIP-7805「FOCIL」は、評価に参加した7者全員が最高評価のSを付け、合意層(CL)の看板提案として必須実装に選ばれました。
FOCILについて、中央集権的なブロックビルダーに依存せず、条件を満たす取引をブロックに取り込む経路を確保する提案だと同部門は説明しています。
特定のビルダーが取引を除外できる構造への対策として、FOCILはヘゴタにおける検閲耐性の中核的な提案に位置づけられています。
実装にあたっては、FOCILの対象となる取引や検証内容を定めるAティアのEIP-8369と組み合わせる方針を示しました。
耐量子化の基盤EIP-8141がSティアに
もう1件のSティアとなったEIP-8141「フレームトランザクション」は、9件の評価で平均3.89点となり、実行層(EL)の看板提案に選ばれました。
同部門はEIP-8141について、量子コンピューターに耐える署名方式へ移行する際に、方式ごとのハードフォークを不要にする経路を用意する提案だと説明しています。
また、EIP-8141はAティアのEIP-8250とEIP-8272とともに実装する方針で、3件をフレームトランザクションの中核パッケージとして扱うとしています。
同部門は、ヘゴタでFOCILとフレームトランザクションを安全に実装し、両者の相互作用を検証することを主要な開発課題に挙げています。
「ETHは量子時代に備える」
必須・予定の17件を最優先で実装へ
全62件の内訳は、必須実装のSティアが2件、実装を予定するAティアが15件となり、構造的な理由から採用を見送るDFIには28件が分類されました。
残る候補のうちBティアは8件で、S・Aティアを組み込んだdevnet(開発用テストネットワーク)が安定した後に1件ずつ採否を検討する方針となっています。
Cティアの7件は現時点で採用対象から外れており、S・A・Bティアを含むdevnetが順調に稼働し、次の段階へ進むまでに余裕がある場合には再検討されるとしています。
一方、TBDに分類されたEIP-8368とEIP-8372については、グラムステルダムのメインネット稼働後に得られるデータを踏まえて評価する方針を示しています。
「ETHはマネーになる」
ティア評価の公開AMA、9月16日に開催
同部門はヘゴタのティアリストについて意見を募るため、9月16日23時(日本時間)にRedditの「r/ethereum」で公開質疑(AMA)を開催すると発表しました。
AMAでは各EIPの評価に関する質問を受け付けるほか、Aティアに入らなかった提案やDFIとなった提案の支持者にも参加を呼びかけています。
質問は開催前から専用フォームで提出でき、同部門は公表した評価に対する反論や異なる見解も受け付ける方針を示しています。
今後はS・Aティアを組み込んだdevnetでの検証を進め、その結果を踏まえてB・Cティアなど残る候補の採否が判断されていく見通しです。
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Source:イーサリアム財団公式ブログ
サムネイル:AIによる生成画像

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