身近な場所に自生している植物の中には、日本の生態系や人の生活などに悪影響を及ぼす恐れがあることから、環境省や各自治体が駆除の協力を呼びかけている「特定外来生物」も潜んでいます。
この記事では、主に水辺で生育し、各地で駆除作業が行われている厄介な特定外来生物を3つ紹介します。
♢ミズヒマワリ
「ミズヒマワリ」はキク科の多年生の抽水植物で、中央・南アメリカが原産です。8~10月頃に、直径6~10mmほどの丸くて白い、菊のような小花を枝分かれした茎の先に複数咲かせます(国立環境研究所および農林水産省の公式サイトより)。
SNSでは「近所の川辺をウォーキング。ミズヒマワリの繁殖がすごい」「ミズヒマワリの花。かわいいですが、特定外来生物の嫌われ者です」などの目撃報告が数多く見られます。
しかし、栄養繁殖が極めて旺盛で、在来の水生植物との競合や、水路の水流阻害といった影響が出ています。ミズヒマワリはアレロパシー(他の植物の成長を抑える作用)も持つとされ、海外では魚類の生育を阻害した例もあります。
東京、大阪、福岡の用水路などでは、すでに駆除が行われています。わずかな部位からでも増えるため、駆除には注意が必要です。国立環境研究所は、ちぎれないように慎重に引き抜くか、底の土を深く掘り取って除去する必要があるとしています。
♢オオバナミズキンバイ
「オオバナミズキンバイ」は、南アメリカや北アメリカ南部原産の植物です。水中、陸上を問わず環境によって形質を変化させることができ、水中型では丸形の葉、陸上型では細長い葉が茂ります(静岡県浜松市の公式サイトより)。
非常に繁殖力が強いことから、在来植物と競合して駆逐したり、水田作物の生育を阻害して農業用水施設を閉塞させたりすることがあります。農林水産省によると、オオバナミズキンバイは琵琶湖での異常繁茂が問題となっているほか、茨城、千葉、和歌山、京都、鹿児島の5府県でも繁殖の報告例があります。
オオバナミズキンバイについて、SNSでは「早い段階で防除しないと、とんでもなく繁殖する」「近所でやばいくらい広がってる」と危機感を募らせる人も散見されます。
駆除する際は、根がちぎれないように慎重に抜き取るか、根を掘り出して除去する方法が効果的です。この時、根に付いた泥や土を払うと種子や根、茎の一部が落ちて再度生えてくることがあるため、土は払わずにそのままビニール袋の中に入れることも重要です。
♢ナガエツルノゲイトウ
南米原産の植物「ナガエツルノゲイトウ」は⽣態系や農業への悪影響を及ぼす恐れがあるため、2005年に外来⽣物法により特定外来生物に指定されました。
花期は4⽉〜10⽉で、⼩さな白い花が集まって球状についています。花の見た目は、同じく外来種の「ツルノゲイトウ」や「シロツメクサ」にも似ています(農林水産省「ナガエツルノゲイトウ駆除マニュアル」より)。
茎はちぎれやすく、⽔に浮くため、断⽚が⽔流によって運ばれ、新たな地で定着・再⽣を繰り返します。そのため、⼤⾬時の増⽔などによって、広範囲に拡散する可能性もあります。
千葉県では広い範囲で繁茂が確認されており、2026年8月に記録的な豪雨となった際には、「千葉県でナガエツルノゲイトウが大繁殖しないか心配」「ナガエツルノゲイトウがいろんな場所にもりもり流れてそう」などと心配する声も見られました。
この植物は種⼦を作らないため、植物の断⽚を回収すれば、⽣育域の拡⼤を阻⽌できます。駆除方法は“抜き取り”や“陽熱処理”など複数あり、薬剤が⽔系に流⼊しない場所であれば除草剤の使⽤も有効です。
「特定外来生物」を駆除する際の注意点
ここで紹介した植物に限らず、特定外来生物は、保管、運搬、放出などが原則禁⽌されています。
ただし、地⽅公共団体やボランティアなどの小規模グループなどが適切な手続きをとった場合は規制の対象外となり、生きたままの運搬などが可能となります。
加えて、乾燥(もしくは腐敗)させて完全に枯れた(死んだ)個体も規制の対象外となります。しかし、枯れたかどうかの判断は難しいため、農林水産省はなるべく地⽅公共団体やボランティアグループなどの単位で適切な手続きをとり、計画的に駆除作業を進めることを推奨しています。

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