JPモルガン、BTCの10年リターン初試算「6,100万円」の強気予測も

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この記事の要点

  • JPモルガン、BTCの10年リターンを初めて試算
  • 基本は年率10%、強気で38.5万ドルの価格予測

まずはビットコイン(BTC)を詳しく

BTC強気予測「10年後に6,100万円」

J.P.モルガン・アセット・マネジメントは2026年10月19日、長期資本市場見通し(LTCMA)の第31版を公表し、ビットコイン(BTC)の今後10年間の年率リターン予測を初めて示しました。

基本シナリオでは「年率10.0%」の複利リターンを見込んでおり、参照価格8万3,000ドル(約1,313万円)を起点とした10年後の試算価格は、約21万5,000ドル(約3,401万円)に達するとしてます。

強気シナリオでは「年率16.6%」となり、10年後の試算価格は約38万5,500ドル(約6,100万円)まで上昇する一方、弱気シナリオでは年率マイナス11.2%となり、約2万5,300ドル(約400万円)まで下落する可能性も示されました。

ただし、同社はビットコインの10年予測を設定するには時期尚早と説明しており、今回の数値は3つの評価モデルに基づく参考シナリオと位置づけています。

2027年版LTCMAでは、ビットコインの年率ボラティリティを55.0%と米大型株の18.0%の約3倍に設定しており、他資産との相関も不安定なことから、現時点ではポートフォリオの分散投資先としての採用を見送る判断も示しています。

3モデルで算出したBTCリターンと市場の現在地

マネーサプライと金を重視した配分

J.P.モルガンはビットコインの供給とマネーサプライの関係、金の補完資産としての役割、ネットワーク採用の3つを評価軸に設定し、それぞれの信頼度に応じて65対30対5の重みを配分しています。

評価モデル(重み) 基本 弱気 強気
①BTC供給 vs 米ドル/グローバルマネーサプライ(65%) 10.7% -9.7% 17.0%
②金の補完資産(30%) 10.7% -13.3% 17.3%
③ネットワーク採用(5%) -3.2% -19.1% 6.1%
加重平均(総合) 10.0% -11.2% 16.6%

最も重視されたのは、ビットコインの4年周期の供給成長率と米ドル・グローバルマネーサプライの拡大を比較する評価手法で、全体の65%を占めています。

次いで30%の比重を占める金の補完資産としての評価では、投資家による金からビットコインへの資金移動を想定し、強気シナリオでは中央銀行の準備資産として採用される可能性も織り込みました。

これに対して、5%の比重にとどまるネットワーク採用の評価は基本シナリオでもマイナスのリターンを見込んでおり、他のブロックチェーン上でトークン化資産が拡大しても、ビットコイン自体への恩恵は限定的との見方を示しています。

暗号資産市場は395兆円超に拡大

ビットコインの長期リターンに加え、同レポートは暗号資産市場全体の時価総額が2.5兆ドル(約395兆円)を超え、スイスの株式市場やプライベートクレジット市場に匹敵する規模へ成長したと報告しています。

取引所ETF(上場投資信託)や先物、オプション、金融機関向けのカストディ・融資市場など、投資基盤の拡充も進んでおり、規制の明確化とともに暗号資産への投資を検討する動きが増えていると分析しました。

機関投資家の採用状況については、J.P.モルガン・プライベートバンクの「2026 Global Family Office Report」を引用し、調査対象の約1割が暗号資産を保有し、17%が暗号資産を含むデジタル資産を今後の投資優先分野に挙げたと紹介しています。

同調査は世界30カ国の333のファミリーオフィスを対象としたもので、暗号資産を保有していない回答者が89%を占めるなど、市場規模や投資基盤の拡大に対して、富裕層の実際の保有比率は依然として低い水準にとどまっています。

主要マトリックスへの採用を見送り

市場規模が拡大する一方、ビットコインの長期的な評価には依然として課題が残り、J.P.モルガンは価格形成が企業のキャッシュフローではなく、普及率や規制、流動性などに左右される点を指摘しています。

他資産との過去の相関係数は米大型株が0.33、金が0.10と推計されているものの、その関係は安定しておらず、ビットコインは世界的なマネーサプライの拡大に連動する高リスク資産として取引される一方、局面によっては「デジタルゴールド」として扱われると分析しています。

この不安定さを理由に、LTCMAはビットコインを主要な共分散マトリックスへ組み入れることを見送り、主要資産の一部と比較する独立型の簡易マトリックスを参考資料として掲載しました。

同社は今後、ボラティリティの低下と相関の安定に加え、規制の明確化や市場の厚み、流動性、価格発見機能の改善が進めば、ビットコインの戦略的な資産配分における役割が変化する可能性も示しています。

米大型株を上回る年率10%もBTCには課題

2027年版LTCMAの公式発表では、15%を超える利益率を背景に、米大型株の長期リターン予測を前年から80ベーシスポイント(bps)引き上げ、年率7.5%としました。

グローバル債券の予想リターンも過去20年で最も高い水準となり、株式と債券を組み合わせたバランス型ポートフォリオの予想リターンは60bps上昇して7.0%に達しています。

主要資産の長期リターン予測が引き上げられる一方、ビットコインについて同社は、単一の基本シナリオに依拠せず、強気・弱気の両シナリオに基づく十分なストレステストを投資配分の検討時に求めています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.38 円)

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Source:J.P. Morgan Asset Management発表
サムネイル:AIによる生成画像

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