
この記事の要点
- BitwiseがQ3を「仮想通貨史上最高級」と評価
- 主要10銘柄すべてが二桁上昇、ETF資金もプラス転換
Bitwise「仮想通貨に春の兆し」
米資産運用大手Bitwise(ビットワイズ)は2026年10月8日、2026年第4四半期版のマーケットレビューを公開し、2026年Q3(7〜9月期)を仮想通貨史上最高級の四半期のひとつと評価しました。
同社は、Q2まで続いていた市場の低迷から一転し、Q3には主要銘柄の価格が急回復したほか、ETF(上場投資信託)への資金流入やトークン化株式の市場拡大など、実際の普及を示す指標も改善したと報告しています。
市場回復を象徴するのがBitwise 10大型仮想通貨指数の46.39%上昇で、構成する10銘柄すべてが二桁のプラスリターンを記録しました。
ビットコイン(BTC)も6月の安値5万9,000ドル(約935万円)から8万3,000ドル(約1,315万円)超まで回復し、四半期の上昇率は42.31%に達しています。
こうした市場の回復を背景に、Bitwise最高投資責任者(CIO)のマット・ホーガン氏は、実世界での普及がかつてないほど進んでいるとして、「仮想通貨の春」が始まった可能性があるとの見方を示しています。
ビットコインQ3急騰、新たな強気相場へ
仮想通貨市場が一変、資金流入と全面高
LINK97%上昇で首位、仮想通貨全面回復
Bitwiseが公表した銘柄別リターンでは、チェーンリンク(LINK)がQ3に97.56%上昇し、指数を構成する10銘柄のなかで首位に立ちました。
LINKに続いてイーサリアム(ETH)が69.07%、カルダノ(ADA)が67.55%、ソラナ(SOL)が59.18%上昇し、主要アルトコインもビットコインを上回る回復を見せています。
年初来の成績ではハイパーリキッド(HYPE)が249.57%上昇して突出したものの、Bitwise 10指数全体はマイナス6.21%にとどまり、Q3の急回復後も年初からの下落分が残っています。
9月30日時点の仮想通貨(暗号資産)市場全体の時価総額は2兆6,510億ドル(約420兆円)に達し、ビットコインが63.35%のシェアを占めたとBitwiseは報告しています。
| ビットコイン(BTC) | +42.31% | -4.55% |
| イーサリアム(ETH) | +69.07% | -10.20% |
| ソラナ(SOL) | +59.18% | -5.46% |
| チェーンリンク(LINK) | +97.56% | +16.19% |
| ハイパーリキッド(HYPE) | +35.51% | +249.57% |
| エックスアールピー(XRP) | +42.70% | -18.53% |
| カルダノ(ADA) | +67.55% | -27.17% |
ETF資金がプラス転換、トークン化も過去最高
市場の回復を資金面から支えたのがビットコイン現物ETFで、Q3には約60億ドル(約9,500億円)が流入し、8月単月でも2026年最大となる35億ドル(約5,540億円)を集めました。
この資金流入がQ2まで続いていた記録的な流出を打ち消し、9月末にはETFの年初来純流入額がプラスに転じたほか、運用資産残高(AUM)も1,080億ドル(約17.1兆円)に達しています。
ETF保有者の内訳では、2026年6月末時点のForm 13F報告対象のプロ投資家による保有額のうち投資アドバイザーが48.3%を占め、ヘッジファンドの15.8%、ブローカレッジの12.7%を上回りました。
機関投資家によるETF保有に加え、Bitwiseは株式のトークン化にも市場拡大の動きがみられたと指摘し、トークン化株式の総額がQ3に65.5%増加して過去最高の約32億ドル(約5,065億円)に達したと報告しています。
建玉4.1兆円の新記録─被害も2026年最悪
オンチェーン金融市場の拡大はパーペチュアル先物にも及び、分散型取引所では株式やコモディティ、為替、プレIPO銘柄の取扱いが増え、建玉残高は過去最高の約260億ドル(約4.1兆円)に達しました。
売買も活況を呈しており、ハイパーリキッドやライター(Lighter)などの主要取引所では年初来の取引高が6兆ドルを超え、前年同期比42%増を記録しています。
市場が急成長する一方、セキュリティ面ではQ3に116件のインシデントが発生し、被害総額は12.5億ドル(約1,980億円)を超えて2026年で最悪の四半期になったとBitwiseは報告しています。
被害額では仮想通貨取引所Bitgetの3.87億ドルとハードウェアウォレットColdcardの1.16億ドルが大きく、両者がQ3の主な被害事例として挙げられています。
富裕層10万人、資産の半分超がBTC
米当局が仮想通貨容認を拡大、Q4の焦点
オンチェーン金融市場では規制面の整備も進んでおり、SEC(米証券取引委員会)は9月17日、トークン化された米国上場株式の取引を一定の条件下で認める一時的なイノベーション免除措置を発表しました。
パーペチュアル先物でも、CFTC(米商品先物取引委員会)が5月29日にKalshiEXのビットコイン・パーペチュアル先物契約「BTCPERP」の上場を承認し、同日に政策声明を公表するなど、米国内での取引に向けた制度整備が進んでいます。
ただし、Bitwiseは9月のFRBによる利上げや米国債利回りの上昇がリスク資産の重石になるとみる一方、11月の米中間選挙で議会構成が変われば、仮想通貨関連法案の審議が停滞する可能性も指摘しています。
それでもBitwiseは、Q3に価格と普及指標が改善した仮想通貨市場について、Q4にはトークン化が実証段階から本格運用へ移り、米国投資家のパーペチュアル先物市場への参入も加速するとの見通しを示しています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.32 円)
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