
『5日で自分の才能が見つかる本』(祥伝社)著者:堀田 秀吾
「自分には何も向いていることがない気がする」「本当に好きになれる仕事が見つからない」といった、いわゆる「才能」に関する悩みは尽きません。
「才能に気づけないのは、たいていの場合、努力が足りないからでも、才能がないからでもない、あなたのせいではない」というのは、ベストセラー作家で明治大学教授の堀田秀吾さん。
自身もかつて才能について深く悩み、さらに大学で教えるようになってからは、毎年多くの学生の「自分には才能がない気がする」という悩みに答え続けてきた経験から、科学的に才能を見つけ出す方法をまとめた書籍の執筆を決意したといいます。
今回は、そうして書かれた堀田秀吾さんの新著『5日で自分の才能が見つかる本』の「3日目」より、才能の5つのプロトタイプの簡単な説明と、簡易チェックを抜粋してお届けします。
簡易チェックで、まずは自分にどのような才能の傾向があるのかを確かめてみましょう。
あなたの埋もれた才能は?
5つの才能プロトタイプ
本書では、現場ですぐ使えるよう才能を「才能の5つのプロトタイプ」 へとぎゅっと凝縮しました。1つずつ順番に紹介していきましょう。タイプA は分析探究型です。
じっくり観察し、問いを立てて世界を解きほぐすのが得意なタイプで、ビッグファイブでいえば「知的関与(Intellect)」が高めの島に重心があります。そこに、ビッグファイブとは別の物差しである「知的好奇心(典型的知的関与)」が重なってきます。この2つは相関が高く、共有する部分が4割ほどありますが、同じものではありません。あとで紹介する「知的好奇心」の強さとも深く重なります。
タイプB は構築実行型です。
計画を立て、やると決めたらコツコツ続けるのが得意なタイプで、誠実性の中でも「勤勉さ」「秩序立て」の島が強めに出ます。
タイプC は共感関係型です。
人の気持ちに橋をかけ、その場の空気をやわらかく整えるのが得意なタイプで、協調性の「思いやり」と外向性の「社会性」の島が前に出てきます。
タイプD は表現発信型です。
感じたことや考えたことを形にして外へ届けるのが得意なタイプで、開放性の中でも「経験への開放」、つまり感受性側の島が強めです。
タイプE は戦略統率型です。
全体を見わたして道筋を描き、人を引っぱっていくのが得意なタイプで、外向性の中の「主張性(Assertiveness)」と誠実性の「勤勉さ」を組み合わせた重心を持っています。
この5つのプロトタイプは、たがいを否定し合う陣営ではありません。むしろ「人格の島々」を5つの使いやすい束に整理した、地図の上の方角のようなものだと考えてください。北の方角が強い人もいれば、北と東の間に重心がある人もいます。そんなふうに、やわらかく見立てながら、5つを眺めてみてください。
自分のタイプを推測する3つの簡易チェック
ここまで読んできて、「自分は何型なんだろう」 と、地図を眺める旅人のような気分になっている方もいるでしょう。本格的な心理検査はあとで行ないますが、その前に、家で1人でできる3つのチェックを紹介しておきます。これは論文の数値から作ったものではありません。筆者が関連論文をまとめて組み立てたもので、いわば「玄関先で履く室内履き」のような気軽な簡易テストです。本格的な検査の前に、自分の重心がどちらを向いているかだけでも先につかんでおくと、次の章がぐっと読みやすくなります。【簡易チェック①「子どもの頃に時間を忘れたものリスト」を書き出す】
紙でもスマホのメモでもかまいません。小学校から中学校くらいまでを振り返って、夕飯に呼ばれてもなかなか抜け出せなかったもの、休み時間に黙々と続けていたものを思い出せるだけ並べてみてください。
できれば10個ほど書き出すのが理想です。書き終えたら、1つずつ眺めて、自分がどんな力を使っていたのかを言葉にしてみましょう。
たとえば、
・地図帳をめくっていたなら分析探究型
・レゴや工作で手を動かしていたなら構築実行型
・友達の間に入って遊びを仕切っていたなら共感関係型または戦略統率型
・絵や物語、音楽、ごっこ遊びに浸っていたなら表現発信型
のサインです。
子どもの頃の没頭には、まだまわりからの評価が入り込んでいません。
だからこそ「自分の重心」をいちばん素直に映し出してくれます。大人になってからの「好き」には、給料や承認がまじり込んでいるかもしれません。でも、小学校の休み時間の好きには、そういう混ざりものがないのです。
【簡易チェック②「今週、エネルギーを奪われた瞬間ベスト3」を書く】
疲れの正体は、自分の重心から遠い動作を無理に続けたときに生まれます。人は、自分の重心に合った作業ではなかなか疲れず、重心から離れた作業では、たった1時間でもごっそり消耗してしまうのです。
・分析探究型の人は、深掘りを止められて結論だけを求められると、すり減っていきます。
・構築実行型の人は、計画が急にひっくり返って、その場での対応を求められると消耗します。
・共感関係型の人は、人を切るような判断を迫られるとへとへとになります。
・表現発信型の人は、自分の感受性を「効率が悪い」と否定されると、気持ちが沈んでいきます。
・戦略統率型の人は、全体を見せてもらえないまま部分の作業だけを任されると、退屈してしまいます。
最近の疲れがどれに近いかをたどると、自分が「本当は何を大事にしている人なのか」が、うっすら見えてきます。
【簡易チェック③「誰かに頼まれてもいないのに、つい余計にやってしまうこと】
職場でも趣味でもかまいません。本当はそこまでやらなくていいのに、つい自分から手を出してしまう。そういう場所には、あなたの才能の重心がこぼれ出ています。
給料が出るわけでもなく、評価もされない。なのに気づくと手が動いてしまう。そんな作業ほど、あなたの才能の本拠地に近いと考えてください。
たとえば、
・会議の議事録をついきれいにまとめてしまうなら構築実行型
・後輩の悩み相談につい1時間付き合ってしまうなら共感関係型
・データを見て勝手に分析を始めてしまうなら分析探究型
・社内Slackについ長文を書いてしまうなら表現発信型
・新規プロジェクトの全体ロードマップをつい描きたくなるなら戦略統率型
のサインです。
複数のタイプに当てはまってもOK
3つのチェックを終えてみると、たぶん「1つのタイプにきれいに収まる」というより、「主タイプと副タイプの組み合わせ」として自分の重心が浮かんでくるはずです。それで大丈夫です。次の項目では、その重なり合いをどう読み解いていくかをお話しします。
[書き手]堀田秀吾

8 時間前
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