10年近く前の少女不明事件、地元警察が霊能者に協力依頼 米フロリダ州

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2026.08.19 Wed posted at 16:41 JST

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ソフィー・リーダーさんの失踪事件を受けて、警察は霊能者に助言を求めている/Courtesy Reeder family

ソフィー・リーダーさんの失踪事件を受けて、警察は霊能者に助言を求めている/Courtesy Reeder family

(CNN) 米フロリダ州に住むパトリック・リーダーさんの娘、ソフィーさんは9年あまり前、15歳の時に行方が分からなくなった。捜査はその後行き詰まり、新たな進展もほとんどないという。

答えを切望するリーダーさんにとって、頼みの綱は事件を担当する捜査員たちだ。

その警察が最近、意外な捜査手段を打ち出した。

リーダーさんはCNNに「どうもよく分からない。霊能者だって?」と語った。

父親のパトリック・リーダーさんと一緒のソフィーさん/Courtesy Reeder family
父親のパトリック・リーダーさんと一緒のソフィーさん/Courtesy Reeder family

ソフィーさんはフロリダ州フォートローダーデールの自宅から真夜中に出かけたまま、姿を消した。

全米から注目を集めた事件にもかかわらず、なぞはまだ解明されていない。そこでフォートローダーデール市警察は、霊感を使って捜査に協力する「サイキックプロファイラー」2人に相談するという異例の手段に訴えた。

担当者はCNNへの声明で「通常は、市警察が捜査中の刑事事件について、捜査当局以外のだれかに意見を求めることはない」と述べた。そのうえで、ソフィーさんの事件については「新情報が見つかる可能性を求め、新たに特殊なアプローチを試みることをいとわない」との姿勢を示した。

この型破りなアプローチに対し、リーダーさん一家は疑問を抱いている。リーダーさんの姉妹にあたるカーステン・ミルホーンさんはCNNに、「リソースの無駄遣いだ」と語った。

霊能者が事件を解決できるという確かな証拠はないものの、一部の捜査機関は通常の手がかりが尽きた時、この手段を使う場合がある。

ソフィーさんの事件を扱うサイキックプロファイラーの一人、アレハンドラ・テイボーンさんは、「だれもが霊能者を進んで受け入れるわけではないだろう」と語る一方、「受け入れる気にならないとしても、ほかに何か失うものなどあるだろうか」と問いかけた。

ソフィーさんに何が起きたのか

2017年5月20日午前2時過ぎ、自宅からそう遠くない大通りを歩くソフィーさんを捉えた防犯カメラの映像/Ft. Lauderdale Police Dept.
2017年5月20日午前2時過ぎ、自宅からそう遠くない大通りを歩くソフィーさんを捉えた防犯カメラの映像/Ft. Lauderdale Police Dept.

リーダーさんによると、行方不明になる前のソフィーさんは芸術的才能に恵まれた素晴らしい子どもだった。ただ、生い立ちのなかで「多少の家庭問題」も経験していたという。

その娘が2017年5月19日の夜に突然姿を消してしまうとは、想像もしていなかった。リーダーさんは、ソフィーさんが電話で話しながら家の中を歩き回っているのを見つけ、もう寝なさいと声をかけた。

「だが実際はベッドに入らず、家から出て行ってしまった」と、リーダーさんは言う。

同じ住宅街にある別の民家に設置された防犯カメラの映像には、ソフィーさんが午後11時半ごろ歩道を歩く姿が映っていた。もう一つの防犯カメラは、午前2時すぎに自宅からそう遠くない大通りを歩く姿もとらえていた。

ソフィーさんは茶色い巻き髪を左右のお団子にまとめた髪形で、ヘッドフォンを着け、人けのない道路を一人で歩いていたとみられる。当時の身長は約152センチ、体重は約45キロだった。

17年に警察が捜査令状を請求した際の書類によると、ソフィーさんのスマートフォンやグーグル・アカウントの履歴で最後に確認できた位置は、自宅から3キロほど離れたアパートだった。

近所の家の前の歩道を歩くソフィーさんが映る防犯カメラの映像/Ft. Lauderdale Police Dept.
近所の家の前の歩道を歩くソフィーさんが映る防犯カメラの映像/Ft. Lauderdale Police Dept.

このアパートには、重罪で有罪となったレナード・ジェニングス受刑者(当時37)が住んでいた。ただし市警察によると、この人物はソフィーさんの事件の容疑者ではなく、重要参考人とされている。

警察の報道担当者はCNNに、「市警察はソフィーさんが行方不明になった夜、(ジェニングス受刑者と)連絡を取っていたとみている」と述べた。

書類によれば、ソフィーさんがこの夜、最後に電話をかけたのはちょうどアパートに着いた午前3時7分で、発信先は同受刑者の番号だった。

警察の記録によると、この通話が終わった後、ソフィーさんの電話は午前9時13分まで同じ場所から信号を出していたが、その後ネットワークとの接続が途絶えた。電源が切られた、または無効化されたとみられる。

それから何が起きたのかは、いまだになぞのままだ。

超自然の声を聴く

テイボーンさんは、フロリダ州タンパを拠点に未解決事件の捜査を手助けしているサイキックプロファイラーだ。他人からどう思われようと、ソフィーさんの事件を含めた自分の仕事に真剣に取り組んでいると話す。

テイボーンさんはCNNに「この仕事は私にとってとても重要だ」と語った。「情熱をかき立てられるような仕事だ」

警察からはこの夏初めて相談を持ちかけられ、最初にオンラインで90分間の顔合わせがあった。警察からは報酬を受け取っているという。

ソフィーさんの家族が事件に対する答えを求め続ける中、警察は霊能者に支援を求めている/Courtesy Reeder family
ソフィーさんの家族が事件に対する答えを求め続ける中、警察は霊能者に支援を求めている/Courtesy Reeder family

市警察によると、ソフィーさんの事件では昨年以降、2人の霊能者に協力を求めている。このうち一人には、90日間のコンサルティングで1500ドル(約24万円)の報酬が支払われた。

同報道担当者は「捜査員が与えられた情報を見極め、捜査の助けになる情報があるかどうかを判断している」と語ったが、内容の詳細には言及しなかった。

もう一人の霊能者は、ソフィーさんの家族に警察がフォローアップの連絡をする前から働きかけ、無料で協力を申し出たという。このやり取りをきっかけに、水路の捜索が実施された。

同報道担当者は具体的な場所を明かさずに「水路とその周辺の捜索をただちに始めた」と述べたが、成果にはつながらなかったという。

リーダーさんとミルホーンさんも懐疑的ながら、このプロセスを受け入れる姿勢を保っている。

「実際に何か成果が出るなら、私も飛びつくだろう」と、リーダーさんは語った。そのうえで「代わりにできることはほかにたくさんあるはずだ」と主張し、情報提供者への報奨金を現在の2万5000ドル(約400万円)からさらに引き上げる案を例に挙げた。

霊能者は事件を解決できるのか

サイキックプロファイラーに対しては、警察のリソースを浪費し、家族の心痛につけ込むばかりで利益より弊害が多いと批判する声もある。超常現象や非主流科学を科学的見地から検証するNPO、「CSI(懐疑的調査のための委員会)」のベンジャミン・ラドフォードさんもその一人だ。

「こういう例では、行方不明者が出ると霊能者、あるいは自称霊能者が何やらぞろぞろと湧いてくることが多い」と、ラドフォードさんは語る。

だがラドフォードさんが20年間かけて調べた結果、霊能者が行方不明者を見つけた実績はゼロに近いという。

テイボーンさんはそれでも、自身の仕事を通して捜査当局や家族により多くの情報を与えられると信じている。

「警察自体も直感に多くを頼っている」と、テイボーンさんは主張する。捜査員を対象に、自分の直感を認識し強化するための訓練プログラムも開発したという。

テイボーンさんによると、コンサルティングの後には3段階のプロセスが続く。ただし、ソフィーさんの事件ではまだ実行に至っていないという。

テイボーンさんはまず、手袋をした状態で証拠品や、事件か行方不明者に関連する物品に触れ、そこからのサインやイメージを探る。

続いて家族と面会し、関係のありそうな情報が伝わってくるかどうかを見定める。

第3段階として、捜査員らとともに現場に足を踏み入れ、周囲のエネルギーを読み取るという。

ラドフォードさんは霊能者たちに責任を負ってもらうことが活動の目標だと述べる一方、金儲けだけが目当てだとは思わないと話す。

「私の研究によると、自分が霊能者だと主張する人々のほとんどが心からそう思っている」と、ラドフォードさんは言う。「たいていの場合、心から助けたいと思ってやっている。行方不明の人がいれば胸が痛むからだ」

未解決の悲しみとともに生きる

ソフィーさんと父親のパトリックさん/Courtesy Reeder family
ソフィーさんと父親のパトリックさん/Courtesy Reeder family

リーダーさんにとって、なぞが残るままの状態と向き合うのは必ずしも容易なことではなかった。

娘がいなくなってから何年もの間、平常心も失ったままだ。

米ノースカロライナ州アシュビルの臨床心理士で、ミルホーンさんがオンライン安全教育のカリキュラム開発をめざして設立したNPO「Sophie's Light(ソフィーの光)」の理事を務めるダラ・デレオンさんによれば、ソフィーさんの家族が経験してきた悲しみは心的外傷後ストレスに似ている。捜査当局に自分たちの声が届かない、裏切られたという思いは、そのストレスを悪化させるばかりだ。

リーダーさんは、裏切られた思いを直接経験してきたと話す。

「私たちはこれまで何度も捜査に参加しようと試みたが、はねつけられ続けている」

家族たちが(霊能者からにしろ、ほかのどこかからにしろ)答えを待ち続ける間に、リーダーさんは苦しい現状と折り合いをつけ始めた。

「出来事は理由があって起きるのだと思う」と、リーダーさんは語った。「人は厳しい状況に置かれると、ほかのことに対しても強くなり、他人を手助けできるようになる」

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