(CNN) ウガンダにあるキバレ国立公園でチンパンジーの研究プロジェクトを統括するアーロン・サンデル氏は2015年6月24日、観察対象の群れのチンパンジーたちが突然静まり返ったことに気づいた。数頭は顔をしかめ、不安そうな表情を浮かべた。他のチンパンジーたちは互いに触れ合い、安心感を得ようとしていた。
遠くから他のチンパンジーの鳴き声が聞こえたが、それは全く珍しいことではない。少なくとも20年間、現地のチンパンジーたちはかなり大きな群れを形成しており、最盛期には200頭以上が仲良く暮らしていた。
しかしサンデル氏が見たところ、多くのチンパンジーが集まってきても彼らは通常のやり方で打ち解けようとはしなかった。いつもなら大声を上げ、背中を叩き合い、手をつないだりするはずだった。それどころか、数頭のチンパンジーはそこから走り去ってしまった。サンデル氏と研究者のジョン・ミタニ氏は困惑した。かつては仲が良かったチンパンジーの群れが突然、まるで他人同士のように振る舞い始めたのだ。
現地のチンパンジーを20年間研究しているミタニ氏に「何が起こっているんだ?」と尋ねても答えは出なかったと、サンデル氏は振り返る。この日を境に、大規模なチンパンジーの群れは分裂。現在西部チンパンジーと中部チンパンジーとして知られる二つの派閥に分かれ始めたという。「この出来事が分極化の種を蒔(ま)き、群れの崩壊につながったのだと思う」。米テキサス大学オースティン校の人類学准教授でもあるサンデル氏はそう語る。
それ以来、二つのグループ間の暴力は激化し、成体や幼体に対する致命的な襲撃が年に数回発生している。研究者らはこのほど、チンパンジーの「内戦」と呼ばれるこの現象を記録した新たな研究を発表した。「内戦」は500年に一度しか起こらないと推定される稀(まれ)な出来事で、これまで観察されたのは一度だけだ。
9日に科学誌「サイエンス」に掲載されたこの研究結果は、社会的なつながりの変化が非ヒト動物の集団内でどのように争いを引き起こすのかを垣間見ることができる貴重な機会を提供する。野生では捉えどころのない現象だが、人間同士の紛争における相互関係の役割をも浮き彫りにする可能性があると、研究者らは指摘している。

2 時間前
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