日本の政治の劣化が止まりません。保守を自称しながらも中身のない言動を繰り返す新興政党や、政界を渡り歩きながら過激な発言を繰り返す議員たち。とりわけ、維新から参政党へと鞍替えした議員たちの言動には目を覆いたくなる場面が多々見られます。メルマガ『佐高信の筆刀両断』の著者で辛口評論家として知られる佐高さんは、半グレ以下となった参政党議員と周辺の人々について厳しい言葉を使って批判しています。
半グレ以下の参政党
2月4日に超党派の石橋湛山議員連盟で講演した時、参政党の神谷宗幣が出席していて、私に質問したことを知った。
まったく意識していなかったから知らされて驚いた。
その時のヤリトリを文字化したものを『月刊日本』(ケイアンドケイプレス)の編集長、中村友哉から送ってもらった。
「湛山の本を読んだが、なかなかつかめない。湛山が首相だったらトランプにどう対処するかと、先生のお考えがあれば」
神谷はこう尋ね、私は次のように答えたという。
「駐留米軍経費を湛山は削った。その際の(大蔵大臣としての湛山の)通訳が宮澤喜一。それが湛山が追放される原因。吉田茂の策謀もあったが、アメリカのご機嫌を損ねて追放された。もし湛山ならば(日本が持っている)米国債を売るぞと言いかねない。へいこらはしないと思う」
サタカなど呼ぶべきではなかったと『産経新聞』に書かせた自民党の議員よりはマシな感じで、それが逆に厄介である。
参議院の東京地方区で当選した参政党のさやは、平気で「スパイ防止法の制定を」などと言う。それよりひどいのは維新から参政党に移った梅村みずほである。
神谷は最初、自民党から出ているが、維新も参政党も結局は自民党の安倍派なのだろう。
「世襲、裏金、統一教会」という3悪をすべて持っている安倍派の流れで、“安倍党”なのだ。
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安倍党参政派の梅村については、維新ウォッチャーの西谷文和が私との共著『お笑い維新劇場』(平凡社新書)で、こう批判している。
梅村は当時、維新の議員だったが、病気の治療も受けられずに名古屋の出入国在留管理局で亡くなったウィシュマに対して、2023年の国会審議で「ハンガー・ストライキによる体調不良で亡くなったのかもしれない」と放言して問題になったのである。
追及されても「どこがデマなのか、根拠はある」などと開き直った。自民党安倍派で、ひめゆりに対する歴史ねじまげ発言で糾弾された西田昌司と同じく、まちがっても議員になってはいけない人なのだ。
梅村の場合は秘書もすさまじい。第1秘書だった成松圭太である。
成松は、コロナの最中に堺の友人宅で飲み会をし、ケンカになった。
それで午前2時ごろに再び車でその友人宅にやって来て、出て来た友人を轢き殺そうとしたのである。まさに殺人未遂だが、一度逮捕されながら、その友人が告訴しなかったので傷害罪に移行し、不起訴になった。
あるいは成松は「その筋の人」かとも思うが、西谷によれば、
「いや、大阪維新の会の府議会議員の娘婿です。成松にとっての義父である横倉廉幸は維新の重鎮で、松井一郎が頭が上がらない存在」だとか。
私は、自民党をヤクザとすれば維新は半グレだと言ってきたが、半グレの維新を出た梅村を拾う参政党は、では何と言えばいいのか。
とりあえず半グレ以下と言っておこうか。
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