薬物注射による死刑執行失敗、同じ薬をテキサス州でも使用 中間選挙控え政治論争に

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(CNN) 米国で1週間の間隔を空けて予定されていた死刑2件が執行された。同じ薬剤を使用しながら全く異なる結果となり、薬物注射による死刑執行をめぐる議論が再燃している。

米テキサス州は7日、20年以上前にコンビニ店員を射殺したジャマール・ハワード死刑囚(46)の刑を執行した。

AP通信によると、ハワード死刑囚はハンツビルの州刑務所で致死量のペントバルビタールを投与され、午後8時3分に死亡が確認された。ペントバルビタールはバルビツール酸系の薬剤で、人を死に至らせる作用を持つ。

テキサス州刑事司法当局が提供したジャマール・ハワード死刑囚の写真。2022年10月28日/Texas Department of Criminal Justice via AP
テキサス州刑事司法当局が提供したジャマール・ハワード死刑囚の写真。2022年10月28日/Texas Department of Criminal Justice via AP

米国で死刑が執行されたのは今年30人目。ただ、テネシー州でクリスタ・パイク死刑囚の刑が失敗して以降では、初の執行となった。パイク死刑囚にも同じ薬物が投与されたが、絶命しなかった。

パイク死刑囚は現在も入院中で、今後の処遇をめぐり法廷で争いが続いている。テネシー州のビル・リー知事は、失敗の原因を探る第三者調査の実施を指示し、年内の死刑執行をすべて停止した。テネシー州での執行失敗はパイク死刑囚のケースが今年2回目だった。

同じ薬物、異なる結果

AP通信によると、ハワード死刑囚は7日夜にペントバルビタールを投与された後、何度か息をしてあえいだ。その後、いびきのような音を立てたものの、30秒以内に静かになり、投与から19分後に死亡が確認された。

執行に立ち会ったメディア関係者によると、先月30日に同じ薬物を投与されたパイク死刑囚も、いびきをしてうめき声を上げたとされる。ただ、呼吸は停止しなかった。

意識を失ったパイク死刑囚はその後、ナッシュビルの病院に搬送され、人工呼吸器につながれた。弁護団は6日、パイク死刑囚が意識を取り戻し、話ができる状態になったと発表。「医学的に前例のない」回復との見方を示した。

米死刑囚、意識回復後の第一声は「ここはどこ、あなたは誰?」

米非営利団体「死刑情報センター」がまとめた資料によると、テネシー州とテキサス州の死刑執行手順ではどちらも、ペントバルビタール5グラムを含む100ミリリットルの溶液を満たした注射器を用意することになっている。

立会人によると、パイク死刑囚にはこの溶液が2回投与された。

ハワード死刑囚に投与された回数は正確には分かっていない。CNNは執行の詳細について、テキサス州刑事司法当局に問い合わせている。

パイク死刑囚は、1995年にコリーン・スレマーさん(当時19)を殺害した罪で死刑判決を受けた。執行されれば、テネシー州で200年ぶりに死刑に処される女性となるはずだった。

だが、パイク死刑囚の弁護団によると、執行担当者は薬物投与の針を静脈に入れるのに苦慮。弁護団は以前に州当局に対し、静脈の確保の難しさについて警告していた。弁護士の1人によると、パイク死刑囚が執行チームと相談し、どこに針を入れるべきか話し合う場面もあったという。

州当局に証拠保全を命じるよう求めた緊急申し立てによると、執行担当者は「少なくとも7本の針」を使ってパイク死刑囚の静脈を確保しようと試み、うち1本は「抜いた時に90度曲がっていた」とされる。裁判官は7日、この申し立てを認めた。

弁護団によると、病院に搬送されたパイク死刑囚の両腕には「腫れややけど、水ぶくれ」ができていた。ペントバルビタールは「触れた瞬間、皮膚や組織、血管などにやけどを引き起こす」作用があるという。針の入れ方に問題があり、薬物が血流ではなく体組織に漏れ出したというのが、弁護団の見方だ。

テネシー州矯正局は、既定の死刑執行手順に従ったと説明している。この手順では、ペントバルビタール単剤による方式が認められており、死刑囚が生存している場合は、追加投与が可能とされている。

2回目の投与でも死亡しなかった場合の対応については、手順に定められていない。

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